福祉.tvが定期開催している無料炊き出しに、先日使い捨てカイロ「白くまカイロ」をご提供いただいた「株式会社オールスタジアム」の八巻社長にインタビューさせていただきました。
株式会社オールスタジアムは、ビニール傘や使い捨てカイロなどBtoB向けの商品販売や、BtoC向けに義理チョコ専門店をはじめとする自社ECサイトを多数運営する企業です。また楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonでの販売など幅広くEC事業を展開されています。今回、EC事業を開始したきっかけから、毎年二桁成長を続ける成長要因、運営体制から今後の展望まで様々なお話を伺いました。
EC事業への参入と成長の軌跡
ー家業である伝統的な卸売業からEC販売へと進出されたきっかけは何だったのでしょうか?
実は創業前の学生時代から、個人でYahoo!オークションに出品していたこともあり、ECの将来の可能性は感じていました。
事業開始当初から、ECの最大の特徴は、ニッチな市場でも成り立つことや、価格がリアルの小売よりも安いことが特徴だったので、手数料のかかるモールよりも、自社サイトを中心に展開することを計画していました。2008年にチョコレートの義理チョコ専門店をオープンしたのが最初です。
ー義理チョコに特化した専門店は、季節性が強く、売れる時期が限られていたのではないでしょうか?
リアル店舗では厳しいですが、ネットだと期間限定店ができるということと、これまでの卸でのBtoBからBtoCの市場への参入を考えて、最初は「チョコレートスタジアム」から開始しました。その後は、日用雑貨の卸のサイトをオープンしていく中で、新しいことに挑戦すべく卸価格をオープンにしたり、その場で決済できるようにしたり、サービスを拡充してきました。
■義理チョコ・おもしろチョコ通販サイト|チョコレートスタジアム
https://www.chocolatestadium.com/
ー多角的なEC展開
オールスタジアムのEC事業は、2007年10月の会社設立から始まり、2008年1月に最初のECサイト「チョコレートスタジアム®」をオープンしました。その後、2008年5月に「カレー共和国」、2011年6月に「卸スタジアム」、2014年10月に「カレースタジアム」(カレー共和国のリニューアル)、2018年12月に「ビニール傘スタジアム」と、次々に専門性の高いECサイトを展開してきました。また、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモールにも出店し、多角的なEC展開を実現しています。
独自の運営体制と組織づくり
ー現在、EC事業はどのような体制で運営されていますでしょうか?
EC事業は、制作チームが4名体制、顧客対応チームが6名体制、出荷チームが3名です。お客様対応にもっとも多くの人員を割いているのが特徴です。
人材育成や教育には力を入れています。勉強会の開催や、外部セミナーの受講で実践的な知識やノウハウを習得するように進めてきました。
実際に、オールスタジアムでは社内における取り組みとして「学べる環境づくり」を重視しており、社内勉強会や外部セミナー、外部研修などの機会を積極的に設け、常に学び続け、自己成長できる環境を整えています。
ー新しいことに積極的にチャレンジできる環境も整っていますよね。
そうですね、毎年「チョコレートスタジアム」では、社員の企画でパッケージデザインを決めています。商品ページのデザインまでを一人で担当することもあります。オリジナル商品の「請求書チョコ」もその1つです。ユニークなチョコレート商品を多数展開しています。お客様の声を直接聞いているからこそ生まれるアイデアがあります。
■超リアル!!請求書チョコ
https://www.chocolatestadium.com/shopdetail/000000000056
働きやすい職場環境の整備
オールスタジアムでは、働きやすい職場環境の整備にも力を入れています。
IT技術を積極的に取り入れることでルーティンワークや非生産的業務を効率化し、人だからこそできる仕事に集中できる職場環境を整備しています。
また、特に「女性が働きやすい職場環境づくり」に注力しており、フレックス制度、時短制度、リモートワークの導入など、ライフステージやライフスタイルに合わせた働き方を支援し、多様な働き方を推進しています。
これらの取り組みは、SDGsの理念にも沿うものであり、オールスタジアムでは「社内環境や取扱商品・取引先との関係において持続可能な世界を目指していきたい」という考えのもと、様々な施策を展開しています。
白くまカイロの提供と社会貢献活動
また、オールスタジアムでは社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
先日福祉.tvさんが行う炊き出しに「白くまカイロ」を提供させていただいたことも、当社のSDGsへの取り組みの一環です。「持続可能な開発目標」を支援しており、今後も社会的ニーズに応えていきたいと思います。
■白くまカイロ
https://www.shirokumakairo.com/
社会貢献への意識の原点にある祖父母の姿
ー八巻社長の社会貢献への意識は、祖父母の影響が大きいとお聞きしました。
幼い頃、祖母によく渋谷区役所に連れて行かれました。後になって知ったのですが、祖母は30年近くもの間、誰にも告げずに毎月匿名で寄付を続けていたのです。その事実は、祖母が体調を崩して寄付に行けなくなった際、長年の寄付に感謝を示したいと考えた区役所が祖母を探し始めたことで明らかになりました。私はその時、祖母がそうしたことをしていたことを初めて知り、すごいなと尊敬の気持ちを抱きました。
また、中高生の頃には、地域の様々な場所で「あなたのおじいちゃん、おばあちゃんには本当にお世話になった」と声をかけられることが多く、祖父母が地域で、見返りを求めず、ごく自然に人助けをしていたことを、周囲の方々から教えてもらいました。
自分が社会で何かを成す立場になった時、祖父母のように、たとえ小さなことでも誰かの役に立ちたいという思いが、今の事業活動にも繋がっているのかもしれません。
今後の展望
ー最後にオールスタジアムさんの今後の展望をお伺いできますか
当面の中期目標は、売上10億の目標を達成する事です。そのための基本戦略は、自社商品の拡充と、ブランドの確立を行う事です。
そのためには、自社サイト中心に、物流への投資や、人材育成を行っていく中で、当社のビジョンである『新しい卸の創造』に沿った形で、新しい事に挑戦していき、お客様から支持される会社を目指していきたいです。
まとめ(編集部より)
「新しい卸の創造」というビジョンを掲げ、新たな挑戦を続けお客様から支持される会社を目指す八巻社長の姿勢が印象的でした。
社員のアイデアを積極的に取り入れた商品開発や、顧客対応を重視した運営体制、人材育成に注力した組織づくりを実践するとともに、八巻社長自身の積極的に学びを続ける姿勢こそが、オールスタジアムさんの成長の秘訣だと感じます。
八巻社長、ありがとうございました!
■株式会社オールスタジアム
https://www.allstadium.co.jp/
執筆者プロフィール

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