障害者手帳を持っていると、共通の優遇措置や都道府県ごとに違う特別なサービスを受けられることがあります。
障害者年金がもらえたり住民税が安くなったりするのはどこに行っても同じですが、地域によっては「こんなものが安くなるの?」「知らなかった!」と思える優遇措置や割引サービスもあります。
今回は北海道札幌市に限定して、障害者手帳で受けられる支援サービスや割引・減免制度をご紹介いたします。
障害者手帳で適用される札幌市の「手当金や支援金」
最初に、障害者手帳を持っているなら必ず確認しておきたい、札幌市の「手当金や支援金」等についてご紹介します。
- 【特別障害者手当】
- 日常生活で介護を必要とする20歳以上の身体・精神障害者に月額2万7200円が支給される。
※障害者控除を含めた所得額による制限あり - 【身体障害者自立更生促進資金貸付】
- 札幌市内に1年以上居住している身体障害者の自立に繋がる資金の貸し付けを行う。主な貸付名目は以下の通り。
事業資金 | 100万円 |
運転資金 | 50万円 |
入学資金 | 30万円 |
結婚資金 | 30万円 |
福祉機器購入資金 | 30万円 |
自動車購入資金 | 40万円 |
【参考】札幌市「貸付制度」
- 【身体障害者自動車運転訓練費補助】
- 身体障害者等級が4級以上で、免許の取得を目指す障害者に運転免許の取得費用10万円が補助される。
- 【NHK放送受信料の減免】
- 障害者手帳を持つ人のいる世帯は、NHK受信料を全額または半額に減免される。
※住民税の非課税世帯や障害等級などにより免除額が異なります。 - 【郵便料金の減免】
- 点字郵便や心身障害者用書籍小包、聴覚障害者用小包などの費用が減免される。
- 【補装具費支給制度】
- 肢体不自由者には車いすや歩行器など、聴覚障害者には補聴器、視覚障害者には安全杖などを支給する。
- 【日常生活用具の給付】
- 点字タイプライターや盲人用体温計、移動用リフト、火災警報機など、障害に合わせた様々な生活用具が給付される。
障害者手帳の提示などで割引される札幌市の「交通・運賃」
続いて公共交通機関も含めて、交通費や運賃の割引制度をご紹介します。障害等級による割引額や支給額などの違いも記載しますが、詳しくは札幌市へ問い合わることをおすすめします。
【参考】障がい者交通費助成
- 【福祉乗車証】
- バス、地下鉄、市電が無料になる乗車証が交付される。
※身体、精神障害1級・2級、知的障害Aのみ - 【福祉割引サピカへのチャージ】
- 福祉割引サピカを年間で最大4万8000円までチャージされる。
※身体障害3級・4級、知的障害B、精神障害3級のみ - 【福祉タクシー利用券】
- タクシー利用券を年間で最大3万9000円交付される。
※身体障害3級・4級、知的障害B、精神障害3級は1万8000円 - 【福祉自動車燃料助成券】
- ガソリン代の助成券が年間で最大3万円が交付される。
※身体障害3級・4級、知的障害B、精神障害3級は1万円 - 【有料道路通行料金優遇措置】
- 障害者手帳の交付を受けている身体障害者は、介護者が運転する際の有料道路料が半額になる。
障害者手帳があれば割引が利く札幌市の「施設」
札幌市内で障害者手帳の提示等で割引が受けられる施設には、公共施設の他にも商業施設や娯楽、レジャー、アミューズメント施設など数多くあります。その中から一部をピックアップしてご紹介します。
- 【市内体育施設使用料の免除】
- 障害者手帳を提示すれば、以下の各施設使用料が無料になる。
対象施設:市立体育館、市立屋内温水プール、市立スケート場、円山総合運動場、厚別公園競技場、宮の沢屋内競技場、真駒内アイスアリーナ、真駒内屋外競技場 - 【文化施設使用料の減免】
- 障害者手帳を提示すれば、以下の各施設使用料が無料になる。
対象施設:札幌彫刻美術館、札幌芸術の森、北海道立近代美術館、円山動物園、北海道開拓記念館、北海道開拓の村、羊ケ丘展望台、札幌市青少年科学館、テレビ塔展望台 - 【観覧車ノリア】
- 障害者手帳提示にてゴンドラ利用料が1人600円から400円に割引される。
- 【ユナイテッド・シネマ札幌】
- 障害者手帳提示にて通常1800円の映画鑑賞料が1000円に割引される。(本人と付添1名まで)
【参考】ユナイテッド・シネマ札幌 入場料金 - 【ノースサファリサッポロ】
- 障害者手帳提示にて入園料1500円が本人と介護者の1名まで半額。
【参考】ノースサファリサッポロ 入園料金 - 【つどーむ】
- 障害者手帳提示にてトレーニングやランニング、パークゴルフ場などの利用が無料になる。
【参考】つどーむ 施設利用料金
札幌市が行う障害者手帳所持者への「支援制度」
札幌市の障害者福祉は、手当の支給や各種割引などだけでなく支援制度も整っています。主な支援制度は以下の通りです。
- 【自立支援医療制度】
- 心身の障害を無くす、または軽減するための医療費について自己負担額を軽減する制度。
- 【日常生活訓練・社会適応訓練】
- 身体障害者の日常生活のおける歩行や動作などの訓練、手話や生花、茶道等の講習会など、日常生活訓練や社会適応訓練を行っている。
- 【札幌市障がい者就業・生活相談支援事業所】
- 就業や日常生活の支援が必要な障害者に対し、相談の受付や職場訪問による相談を行っている。
- 【北海道障害者職業センター】
- 障害者職業カウンセラーなどを配置し、就職相談、職業能力評価、就職前の支援、職場適応の援助など、個別の障害に合わせて支援を行っている。
- 【要約筆記者等派遣】
- 中途失聴や難聴の人のコミュニケーションのため、要約筆記者等の派遣を行っている。
- 【車いす使用者向け市営住宅】
- 身体障害者手帳の交付を受けている、65歳以上、戦傷病者手帳の交付を受けているなどの要件を満たしていて車いすを使用している人がいれば、市営住宅入居の申込抽選で優遇措置がある。
【番外編】こんなものも障害者手帳があれば割引になる!
最後に番外編として、札幌市に限定したものではありませんが、「こんなものが!?」と思える、障害者割引の受けられるサービスをご紹介します。
【ナイキ】
大手スポーツメーカー。Nikeの会員でミライロIDを持っていれば、アプリ内や店頭にて10%割引が受けられる。
【参考】Nike「障がいをお持ちの方向けの割引はありますか?」
【参考】イオン札幌苗穂店
【参考】らでぃっしゅぼーや「えがおサポート」
まとめ
札幌市が行う障害者への支援や福祉には、障害者手帳の提示が必要かどうか記載のないものもありますので、各サービスや優遇制度に障害者手帳が必要かどうかは、札幌市の各窓口にてご確認ください。
障害者手帳は経済的支援から移動手段となるバスや電車、仕事探しからネットショップまで様々な場所で活躍します。札幌市内のサービスに限らず、日々の生活で障害者手帳が有効活用できる場面はまだまだありますので、ご自身でもぜひ調べてみてください。
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