豊かな自然と温暖な気候に恵まれた徳島県では、障害のある方々の社会参加と日々の充実をサポートする就労支援事業所が、地域の特性を活かした独自性のある取り組みを展開しています。自動車関連事業、農業、ものづくり、飲食サービスなど、一人ひとりの個性や能力に応じた幅広い活動を提供しているのが特徴です。
本記事では、徳島県内で特色ある活動を展開している4つの就労支援事業所の取り組みを分かりやすく解説します。
Ponte(ポンテ):自動車関連事業を展開するA型事業所

徳島市に位置するA型事業所として、日産サティオ徳島が設立した障害者就労支援会社が「Ponte」です。2022年4月に開所し、「全ての個性が輝く社会の実現」を掲げ、自動車業界という専門性の高い分野での就労支援を実践しています。
自動車ディーラーならではの専門的な作業環境
Ponteでは、日産サティオ徳島の中古車部門と連携し、中古車の仕上げ作業や洗車業務を中心とした作業を提供しています。プロフェッショナルな自動車整備の現場で、実際の商品となる中古車の仕上げに携わる環境が整っているのが特徴です。
自動車ディーラーという企業の現場での作業は、お客様に引き渡す商品としての品質が求められるため、丁寧さや責任感を自然に育む環境となっています。洗車一つをとっても、細部まで気を配る必要があり、日々の作業を通じて専門的な技術を磨くことができるといえるでしょう。
働く喜びとプロフェッショナル精神を大切にする理念
Ponteが大切にしているのは「誰もがプロフェッショナルになれる」という信念です。障害者という言葉を無くし、一人ひとりの長所を活かして組み合わせることで、全員がプロ集団となることを目指しています。
就労継続支援アクティブの代表が参画し、障害者就労のプロフェッショナルとして現場の作業管理や雇用を担当しているのが特徴です。日産サティオ徳島の中古車部門の専門知識と、就労支援のノウハウを組み合わせた独自の支援体制が構築されているといえるでしょう。
Mogu(モグ):菌床椎茸栽培を行うA型事業所

阿南市に位置するA型事業所として、菌床椎茸の栽培という農業分野で独自の支援を展開しているのが「Mogu」です。株式会社PEACE LOVE JOYが運営し、浜田農園をオーナーとして、椎茸栽培の専門的な技術習得の場を提供しています。
菌床椎茸栽培という専門的な農業
Moguの主な作業内容は菌床椎茸の管理、収穫、清掃などです。
椎茸栽培という生命を育む仕事に取り組んでおり、菌床椎茸の栽培には、温度管理や湿度管理、収穫のタイミングなど、細やかな観察力と判断力が必要となります。こうした専門的な農業技術を日々の作業を通じて身につけることができる環境が整っているといえるでしょう。
商品開発と販売活動の実践
Moguでは、収穫した椎茸を使って、生椎茸、干し椎茸、干しキクラゲ、くきパウダー、椎茸スープなど、いろいろな商品を開発・販売しています。収穫から加工、販売まで一連のプロセスに携わることで、農業の全体像を理解できる環境が整っているのが特徴です。
「mogu祭」などのイベントでは、自分たちが育てた椎茸製品を直接お客様に販売する機会もあり、お客様との交流を通じて社会とのつながりを深めています。
可能性を信じるサポート体制
Moguの支援スタッフは「新たな挑戦ができるし、失敗すれば逃げてもいいし、また挑戦しても良い」という姿勢で、一人ひとりの可能性を信じながらサポートしています。施設外での食品加工や清掃作業なども取り入れ、新たな自分を見つけられる環境を整えているといえます。
安心して挑戦でき、失敗しても受け止めてもらえる環境があることで、自分のペースで成長していける場所となっているでしょう。
ゆいたび:布製品とフリーペーパー制作を行うB型事業所

吉野川市に位置するB型事業所として、ミシンを使った布製品の制作とオリジナルフリーペーパーの発行という創造的な活動を展開しているのが「ゆいたび」です。「人生の旅、娯楽の旅、社会人としての旅、一期一会の旅」というコンセプトのもと、障害を持つ方が自分らしい選択ができるようサポートしています。
ミシン技術を活かしたいろいろな布製品の制作
ゆいたびでは、ミシンを使用した布製品の制作を中心とした活動を行っています。マスク、バッグ、小物など、心を込めて制作した商品は、yuitabiショッピングというオンラインショップでも販売されており、広く社会に届けられているのが特徴です。
特に注目されるのは、ロゴや名前を入れた印字入りマスクの販売です。企業のアピールやおしゃれとしても活用できるこの商品は、徳島新聞でも取り上げられ、地域からの関心を集めているといえるでしょう。
布製品は一つひとつ丁寧に作られており、お客様からの感謝の声も多く寄せられているようです。
オリジナルフリーペーパーで情報発信
ゆいたびの特徴的な取り組みの一つが、オリジナルフリーペーパーの制作です。この活動を通じて、企画力、デザイン力、文章作成能力など、いろいろなスキルを活かすことができます。
フリーペーパーという媒体を通じて情報を発信する経験は、自分の考えや感性を社会に伝える貴重な機会となっているといえるでしょう。自分たちが作ったフリーペーパーを手に取ってもらえることで、やりがいと達成感を味わえる活動となっているようです。
いろいろな作業プログラムと寄り添う支援
ゆいたびでは、布製品制作やフリーペーパー制作以外にも、多数の作業プログラムを用意しています。一人ひとりの興味や適性に応じて作業を選択できる環境を整えており、個々のペースで無理なく活動できる配慮がなされているといえます。
「障害を持つ方が人生の旅路を諦めることなく、自分らしい選択ができるようサポートしたい」という理念のもと、ゆいたびは一人ひとりに寄り添った支援を実践しています。自分に合った働き方を見つけられる場所として、日々の活動が行われているでしょう。
就労支援Sole:カフェ運営を中心とするB型事業所

吉野川市鴨島町に位置するB型事業所として「Coffee & Curry Sole」というカフェ運営を中心とした飲食サービス事業を展開しているのが「就労支援Sole」です。合同会社Sole(そーれ)が運営し、地域に開かれたカフェという形で、社会参加を実現しています。
カフェ運営を通じた接客・調理の実践
Soleの特徴は、一般のお客様に向けたカフェを運営していることです。コーヒーやカレーなどの調理から接客、会計まで、飲食店運営に必要な幅広い業務を日々行っています。
カレーがオススメのメニューとして地域で評判を呼んでおり、多くの地域住民が訪れる憩いの場となっているといえるでしょう。
地域とのつながりを育むパン移動販売
Soleでは、カフェ運営に加えて、パンの移動販売や派遣活動も行っています。移動販売という形態は、地域のさまざまな場所に出向き、より多くの人々と交流する機会を創出しているのが特徴です。
定期的に訪れる地域住民との継続的な関係を築くことで、顔なじみのお客様も増え、会話を楽しみながら販売活動を行っています。
温かい雰囲気と地域コミュニティの拠点
Soleは、障害者の就労支援という本来の目的を超えて、地域コミュニティの重要な拠点としての役割を果たしています。カフェという誰もが気軽に立ち寄れる場所で活動することで、社会の一員としての実感を深めることができる環境が整っているといえます。
「吉野川市鴨島にてカレーがオススメのCafe」として、地域に親しまれる存在となっており、多くの人が訪れる憩いの場所となっているでしょう。
まとめ
徳島県の就労支援事業所は、それぞれが独自の専門性を活かしたいろいろな取り組みを展開しています。Ponteの自動車関連事業、Moguの菌床椎茸栽培、ゆいたびの布製品・フリーペーパー制作、Soleのカフェ運営など、いずれも実際の商品やサービスを通じて社会に貢献できる機会を提供しているといえるでしょう。
これらの事業所に共通しているのは、一人ひとりの個性や能力を尊重し、それぞれに合った働き方を見つけられる環境を整えている点です。自動車の仕上げ、椎茸の栽培、布製品の創作、カフェでの接客など、専門性の高い分野での活動を通じて、働く喜びと達成感を味わえる場所を提供しています。
自然の中での農作業、創造的なものづくり、お客様との交流など、それぞれの事業所が大切にしている価値観を通じて、充実した日々を送れる環境が整っているといえます。徳島県の就労支援事業所による地域に根ざした取り組みは、障害のある方々が自分らしく働ける場所を提供するだけでなく、地域社会全体の豊かさにも貢献する重要な活動となっているでしょう。
執筆者プロフィール

ウェブ・コピーライターとしてクライアントワークを中心に活動中。