急なお迎えに対応できる「病児保育お迎えサービス」とは?

急なお迎えに対応できる「病児保育お迎えサービス」とは?


子供が急に体調を崩してしまった時、仕事をしている親は「誰が子供を迎えに行くのか」と悩んでしまいますよね。
仕事を早退することが難しい時や、すぐに迎えに行けない場合。
具合の悪い子供をそのままにしておくことも、かといって生活の要である仕事を中断することも、判断が難しいと思います。

そこで注目されているのが「病児保育お迎えサービス」です。

このサービスは保護者が急な呼び出しに対応できない時に、代わりに子供を迎えに行き、病児保育施設で一時的に預かってくれます。

この記事では、この病児保育お迎えサービスについて詳しく解説していきます。
実際にどのような内容で提供されているのか、さらにそのメリットや今後の課題についても考察していきます。

病児保育お迎えサービスの概要

病児保育お迎えサービスは、保護者が仕事や他の事情で子供を迎えに行けない時に保育施設の職員が代わりに迎えに行き、病児保育施設で一時的に預かるという仕組みで提供されています。

このサービスは子供が体調を崩した際に、保護者が安心して仕事を続けることができるようにサポートするために設けられました。
共働き家庭が増加している現代の日本に沿った画期的なサービスです。

このサービスの大半は、地域の病児保育施設や医療機関と連携を行い提供されています。

利用するためには事前に施設への登録が必要で、子供の病状や症状に応じて対応が行われます。

サービス利用の流れ

病児保育お迎えサービスは以下の手順から利用することができます。

1.保育園・幼稚園から保護者に連絡
子供が体調を崩した時に保育園や幼稚園から保護者に連絡が入ります。

2.保護者が病児保育施設に連絡
保護者が病児保育施設に連絡して子供の状況を伝えます。

3.病児保育施設がサービスの利用可否を判断
病児保育施設がサービスを利用できるか判断します。

4.お迎えサービスの実施
サービスの利用が可能であれば、病児保育施設の職員が保育園や幼稚園に子供を迎えに行きます。

5.保護者が病児保育施設に子供を迎えに行く
保護者は用事や仕事を終えた後で病児保育施設に子供を迎えに行くことができます。

このサービスにより、保護者は仕事中や抜けられない用事があっても安心して子供を預けることができ、子供もすぐに適切な処置を受けられます。

各自治体の提供状況

全国の自治体では、この病児保育お迎えサービスを独自に提供している施設が増えています。

以下に、既に行われている病児保育お迎えサービスの内容をまとめました。

福岡県宗像市 サービス内容
看護師や保育士が、タクシーを利用して保育園や幼稚園まで子どもを迎えに行き、診察を受けた後に病児保育室で預かる。対象年齢
生後6か月~未就学児まで

料金
1,000円/回(診察費用は別途必要)

提供施設
「病児保育室めばえ」

【参考】福岡県内の自治体で初「病児保育お迎えサービス」宗像市で開始

東京都板橋区 サービス内容
看護師が保育園や幼稚園から子どもを迎えに行き、病児保育施設で処置を行う。対象
生後6か月~小学6年生まで

料金
無料(保育料は別途)

提供施設
板橋区内の病児保育施設

【参考】お迎えサービスについて

東京都大田区 サービス内容
看護師が保育園や幼稚園から子どもを迎えに行き、病児保育施設で処置を行う。対象
生後6か月~小学6年生まで

料金
施設により異なる

提供施設
・うさぎのママ
・キッズメディカルステーション

【参考】うさぎのママ、キッズメディカルステーション

富山県富山市 サービス内容
看護師が保育園から子どもを迎えに行き、かかりつけ医を経由して病児保育施設で預かる。対象
富山市内および近隣町村

料金
2,000円+タクシー代の一部(自治体負担あり)

提供施設
富山市内の病児保育施設

【参考】お迎え型病児保育事業

北海道旭川市 サービス内容
看護師が保育園から子どもを迎えに行き、連携医療機関で診察後に病児保育室で預かる。対象
生後5か月~小学校3年生まで

料金
500円/日

提供施設
北彩都病児保育室「まほうのちから」

【参考】病児保育事業

現在、病児保育お迎えサービスを提供している自治体は少なく、全国的にはまだ普及しているとは言えない状況です。

病児受け入れ自体を提供している自治体は多いですが、子どもを迎えに行くまでのサービスを実施しているところは少なく、主に大都市に集中しています。

一方で、民間運営の病児保育お迎えサービスは比較的多く、大都市圏では既に利用が広がっています。

ただし、民間サービスは柔軟性や専門性が高い反面、利用料金が自治体のサービスよりも高額になる場合があり、金銭的な不安を感じる保護者も少なくありません。

サービスの利点

このサービスの最大の利点は保護者が仕事を中断することなく、子供が早急に適切な処置を受けられる点です。

特に共働き家庭に限らず、保護者がすぐに子供の元に駆けつけられない場合でも、急な呼び出しに対する不安やストレスが大幅に軽減されます。
また、子供が病院で診察を受けながら安全な環境で過ごせるという点も保護者にとっては大切かと思います。

さらに、地域によってはタクシー代が無料であったり、保育料が補助される制度があるため、経済的な負担も抑えることができます。
このようなサポートが充実していることで、家庭だけでなく地域全体で子供の健康を守る体制が整っています。

サービスの課題と問題点

一方で、病児保育お迎えサービスにはまだまだ多くの課題と問題点が残されています。

まず、利用可能な人数や時間帯に制限があることが挙げられます。
多くの施設では平日のみの対応をしているところが多く、土日祝日や夜間には利用できない場合がほとんどです。

また、病状が重い場合や特定の感染症の場合、サービスが提供されないこともあります。
例えば流行性角結膜炎や入院が必要な場合は、病児保育施設での受け入れが難しい為、結局のところ今まで通り保護者自身で子供を病院に連れていく必要があります。

さらに地域によってはこのサービス自体が提供されていないところもあります。
その為、全国的にサービスを拡充していき、どの地域でも安心して利用できる体制を整えることが今後の課題となっています。

まとめ

病児保育お迎えサービスは、共働き家庭やひとり親家庭にとって今後無くてはならないものになっていくでしょう。
しかしまだまだ課題も多く、未実施の地域が多かったりと、これから改善が大いに期待されます。
私たち一人ひとりがこのサービスの存在を知り、地域での利用を推進することで、より多くの家庭が安心して生活できる社会にすることができるのではないでしょうか。
病児保育お迎えサービスが、子供たちの健康と親たちの安心を守る支えとなっていくことを願います。

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