障害をテーマとした映画は多く公開されていますが、実際に映画を見たことで障害についてのイメージが変わった人も多いのではないでしょうか。障害をテーマにした映画では、多くの実話に基づく作品が公開されています。障害を持ち、悩みや不安を抱えながらも前向きに生きる主人公の姿は改めて生きる事の意味を考えさせてくれます。本記事では障害をテーマにした名作映画を「Yahoo!映画ユーザーレビュー評価」「興行収入」のデータを基に、障害者支援に携わる筆者のおすすめ評価を加味した名作映画をご紹介します。
第1位 レインマン(1988)
公開年 | 1988年 |
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興行収入 | 3548億ドル |
ヤフーレビュー | 4.13 |
障害者をテーマにした映画の先駆者になった作品です。若くイケメンの主人公チャーリー(トムクルーズ)は父の訃報を受け実家に帰省します。裕福な父の遺産の300万ドルは自閉症の兄が受け継ぐことになったことから、物語が展開します。ハリウッド映画らしいストーリー展開ですが、実は「自閉症」をテーマにしたシリアスさも兼ね備えています。自閉症の特性をリアルに描かれていることでも話題となり、単なる娯楽映画の枠に捉われない斬新的な映画でもあると言えます。この映画をきっかけに、自閉症を知った人も多いのではないでしょうか。
第2位 フォレストガンプ(1994)
公開年 | 1994年 |
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興行収入 | 6831億ドル |
ヤフーレビュー | 4.22 |
知能指数は低いが優しい心を持った青年の幼少期から中年期までの半生を描いています。子供の頃は知能の低さゆえにいじめに合いますが、後に会社を設立し経営者となり成功を約束された人生を歩みます。アカデミー賞作品賞を受賞するなど大ヒットとなり、社会現象を巻き起こすほどのブームになりました。
第3位 ギルバートグレイプ(1993)
公開年 | 1993年 |
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興行収入 | 1000万ドル |
ヤフーレビュー | 4.19 |
ジョニーディップ・レオナルド・ディカプリオの二大ハリウッドスターの共演作品です。重い知的障害を持つ弟役をディカプリオが繊細に演じています。高いところによじ登るのが好きで、たびたび問題を起こしては主人公の兄役のジョニーディップを困らせてしまいます。それでも障害を持った弟を見捨てることなく温かい目で見守る主人公ギルバートは、障害を持つ家族のリアルな心境を表現しているのではないでしょうか。
第4位 シャイン(1996)
公開年 | 1996年 |
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興行収入 | 3590万ドル |
ヤフーレビュー | 3.96 |
シャインは実在の天才ピアニストの半生をモデルにした作品です。家族との確執やプレッシャーから精神障害を煩う孤高の天才のドキュメンタリーですが、主人公は生まれついての障害者ではなく、ピアニストになれなかった父親との関係から、精神的な障害を抱えてしまいます。11年間に及ぶ長い間精神病院や施設を転々としますが、妻との出会いにより、公演を見事成功させ表舞台へのカムバックを果たします。親愛できる人との出会いがそれまでの精神病を患っていた主人公を変える大きなターニングポイントになっています。かけがえのない人を得た事で、病を克服してカムバックする姿は同じように精神病で悩む人の大きな支えになる事でしょう。
第5位 レナードの朝(1990)
公開年 | 1990年 |
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興行収入 | 5210万ドル |
ヤフーレビュー | 4.3 |
パーキンソン病の患者とその治療にあたった医師の治療記録を綴った実話に基づくドキュメンタリーです。30年間昏睡状態にあった患者が、治療により意識を取り戻し快方に向かうものの、その状態は一時的なものであり症状が元に戻ってしまうという現実を突きつけられる結果になります。希望から落胆へと、患者と医師の心の葛藤が描かれている作品です。
第6位 エレファントマン(1980)
公開年 | 1980年 |
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興行収入 | 2600万ドル |
ヤフーレビュー | 3.97 |
母親が妊娠中に像に襲われたことで奇形児として生まれ育ちます。その姿から見世物小屋に晒されるなどの辛い人生を送りますが、最後まで人間らしく生きる事を諦めない青年の物語です。19世紀のイギリスが舞台ですが、まだ障害に対する理解が得られていない時代でした。見世物小屋に対する倫理観から、次第に見世物小屋は消えていきますが同時に障害を持つ人の雇用を奪うという残酷な一面も持ち合わせています。障害を持つ人が人間らしく生きる事を改めて考えさせられる作品です。
第7位 17歳のカルテ(2000)
公開年 | 2000年 |
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興行収入 | 4830万ドル |
ヤフーレビュー | 3.72 |
17歳の少女が自殺未遂を図り、境界性人格障害と診断され精神病棟に入院する事になります。そこで出会ったリーダー格の少女に最初は憧れるものの、彼女と喧嘩をした友人が翌朝首を吊って自殺した事で、自分の生き方を見つめなおすようになります。10代は多感な時期で衝動的な行動を起こしやすい年代でありますが、大事な友人を失った事で命の大切さや周囲の人の優しさを感じる事ができたのではないでしょうか。
まとめ
ここで紹介した映画は、発達障害や精神病など、自分自身や家族などにも身近に起こりうる障害です。主人公がもし自分や家族・愛する人だったらと思わず感情移入してしまう作品ばかりですが、映画を通じ障害に対する理解が深まることが障害者支援にも繋がるのではないでしょうか。
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