発達障害者が実際に取得・活用している資格ランキング10選

発達障害者が実際に取得・活用している資格ランキング10選

「発達障害でも取れる資格が欲しい」
「発達障害者のサポートに役立てたい」
「発達障害について理解を深めたい」

そんな方々のために、発達障害者が実際に取得・活用している資格を、難易度の高いものから誰でも取得できるものまで調査して厳選しました。

今回ご紹介するのは福祉の現場で重宝される国家資格を始め、発達障害者の保護者や知識習得を目的とした方にもおすすめできる資格となっています。

※ランキングは資格取得者数の多い順または資格取得者数の不明な資格はクチコミや取得の難易度により決定しています。

国家資格で発達障害者が取得・活用している資格

まずは取得者数が多い国家資格からご紹介します。国家資格ということもあって難易度は高めですが、給与や就職の幅などの面で有利です。

【1位】発達障害者で取得数が最も多い「社会福祉士」


社会福祉士は、身体・精神障害で生活が困難な人を支援する、発達障害者でも取得している人が多い国家資格です。

生活上の問題や精神的な悩みなど聞いて、解決するための助言や手段を提供するのが主な仕事で、関係機関と連携しながら時には御用聞きのような対応を求められることもあります。

福祉関連でも需要があり、資格取得後の就職先も幅広い就職に有利な資格です。

資格取得者数 23万人以上
資格取得後の主な職場 各障害者施設・児童、母子相談所・医療機関・高齢者関連施設など
給与(年収) 200~500万円 ※経験や学歴などにより大きく異なる
資格取得までのコスト 未経験は大学への入学と履修で400万円前後、実務経験あり・一般大学卒は20~120万円ほど
難易度 合格率30%未満
取得方法/期間 福祉系大学で4年、一般大学や実務経験からのスタートで5年

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

【2位】精神障害者に特化した国家資格「精神保健福祉士」


精神保健福祉士は、精神障害の当事者と家族などの相談を受けて支援活動を行う国家資格です。

生活上の問題や社会的問題、雇用問題などの相談に応じる点で社会福祉士と似ていますが、精神的な悩みに特化している点で異なります。

社会構造の複雑化から精神障害者が増えたと言われる昨今、需要が高まっている資格です。

資格取得者数 約8万5,000人
資格取得後の主な職場 精神科を主とした医療機関・地域生活センター・就労支援施設・高齢者施設など
給与(年収) 200~400万円
資格取得までのコスト 社会福祉士とほぼ同じ
難易度 合格率60%前後
取得方法/期間 社会福祉士とほぼ同じ

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

【3位】臨床心理士の国家資格版「公認心理師」


公認心理師は、心の悩みを抱える人やその家族からの相談に応じ、解決や支援の提供を目的とした創設されたばかりの国家資格です。

相談だけでなく、面談や観察という過程で最適なサポートをするための分析も行います。

資格内容は民間資格の臨床心理士とほぼ同じになります。

資格取得者数 3万5,000人以上
資格取得後の主な職場 今後、医療現場や児童、障害者、高齢者の支援施設、企業や学校などの相談室といった分野での就職が見込まれる
給与(年収) 300~400万円
資格取得までのコスト 大学に通う費用、実務経験者なら現任者講習会受講料や受験費用などで約10万円
難易度 合格率50~80%
取得方法/期間 4年生大学と大学院2年で心理学の科目を履修する、または実務経験5年の期間が必要

【出典】一般財団法人 日本心理研修センター

民間資格で発達障害者におすすめの資格

民間資格は特に就職で特別に有利ではなく、持っていないと働けない職種も多くありませんが、就職先に合った資格であればプラスポイントになるのは間違いなく、仕事の幅も広がります。

昨今ではクラウドソーシングのPRポイントとして活用できるといった場面も増えましたので、気になる資格があれば取得を目指してみてはいかがでしょうか。

【1位】幅広い年代と職場が魅力!「臨床発達心理士」


臨床発達心理士は、子どもや大人、高齢者まで広い年代の人を対象に、発達心理学を基にした悩み相談や援助を行うための資格です。

ADHDやLDなどの発達障害を持っている人、虐待や育児不安の問題、不登校や引きこもりなど、幅広い分野でのサポートを行います。

資格取得者数 不明
資格取得後の主な職場 保育所・幼稚園・児童相談所・特別支援学校・教育相談施設・障害者施設・高齢者施設など
給与(年収) 200~400万円 ※職場により異なる
資格取得までのコスト 発達心理学関係の大学を卒業する費用、公認心理士資格を取得するための費用が必要
難易度 合格率は非公表
取得方法/期間 発達心理学系の大学で指定科目を履修するか、公認心理士の資格を取得して受験する

【出典】一般社団法人 臨床発達心理士認定運営機構

【2位】一般企業からの需要が多い「産業カウンセラー」


産業カウンセラーは、職場における精神的な問題を解決するためにアドバイスや援助を行う資格です。

メンタル面はもちろん、キャリアカウンセリングや人間関係の構築などにおける分野でも活動しています。

心理学系の資格は数多くありますが、産業カウンセラーは民間資格の中でも知名度が高く企業からの需要があるため、人気資格となっています。

資格取得者数 不明(毎年2000~3000人ほどが試験に合格している)
資格取得後の主な職場 一般企業、公的機関、医療機関といった様々な分野で求人がある
給与(年収) 200~400万円 ※就職先の企業や機関の給与体系による
資格取得までのコスト 約30万円
難易度 試験合格率は70%前後
取得方法/期間 心理学関係の大学を卒業する、または日本産業カウンセラー協会の講座を12ヶ月受講する

【出典】一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

【3位】学習障害の基礎から実践までを学ぶ「発達障害学習支援サポーター」


発達障害学習支援サポーターは、学習障害(LD)について良く知らないという人が学ぶ基礎的な内容から、専門的知識があっても実践ノウハウがないという人向けの応用的な知識までを得られる資格です。

発達障害学習支援サポーターは民間資格の1つであるため、就職のためというより学習障害への理解を深めるための資格という位置づけとなっており、福祉施設職員や教員、保育士や児童指導員といった方を中心に取得されています。

資格取得者数 不明(開講から3年間で5,000人が資格取得に必要な講座を受講)
資格取得後の主な職場 発達障害学習支援サポーターを主とした仕事は無し
給与(年収) 発達障害学習支援サポーターの専門職がないためデータ無し
資格取得までのコスト 約4万円(受講料・試験料込)
難易度 合格率は非公表
取得方法/期間 14.5時間

【出典】一般社団法人子ども・青少年育成支援協会

【4位】初歩的知識から実践まで「発達障害コミュニケーション指導者」


発達障害コミュニケーション指導者は、発達障害入門講座とも言うべき資格です。発達障害の基礎から具体的な支援計画の作成方法、相談や指導方法まで学ぶことができます。

難易度は「初級」「中級」「上級」の3段階に分かれており、初級と中級であればオンライン講座による資格取得も可能です。

資格取得者数 初級から上級まで、5500人以上が資格取得
資格取得後の主な職場 発達障害コミュニケーション指導者を専門とした職種は無し
給与(年収) 障害者福祉関連従事者のスキルアップとして活用される資格のため、収入への影響は不明
資格取得までのコスト 初級であれば約2万円にて受講から資格取得が可能、中級以上は要確認  
難易度 合格率は非公表
取得方法/期間 取得までの期間も一般社団法人日本医療福祉教育コミュニケーション協会の認定講座に異なるため要確認

【出典】一般社団法人 日本医療福祉教育コミュニケーション協会

【5位】発達障害を研究する教育者になる「特別支援教育士」


特別支援教育士は、発達障害に関する分析・研究、指導計画の立案を行うための専門資格で、発達障害の心理的問題への対応力を備えることができます。

他の資格と違い、主に教育の現場で活用されている資格で、資格を運営する一般財団法人特別支援教育士資格認定協会が独自に求人情報を公開しています。

資格取得者数 約5,000人

資格取得後の主な職場 既に教育現場で働く人が取得する資格で、一部求人においては優遇要件にもなる
給与(年収) 専門の職種はないため年収データ等は無し
資格取得までのコスト 日本LD協会の入会・年会費1.4万円/受講登録費1万円、セミナー参加費14.5万円/資格認定審査料1万円/協会登録料(5年間分)2万円/協会会費(5年間分)1万円
難易度 合格率は非公表
取得方法/期間 1年間を通して行われる各セミナーの受講、認定手続きに7ヶ月前後かかる

【出典】一般財団法人 特別支援教育士資格認定協会

その他の資格

最後にご紹介するのは特に取得の際に試験が必要のない資格です。実際に働いている人や一般企業の方など誰でも取得できる資格となっています。

【任用資格】保育に関わる人なら取得したい「児童指導員」


児童指導員は、児童福祉施設で暮らす18歳以下の子どもを保護者代わりに面倒を見たり養育したりする資格です。

正確には履歴書に1つの能力として書くような資格ではなく、「職種」と考えたほうが良いでしょう。

児童指導員は「任用資格」といって、公的機関が「児童指導員として働いて良い」と認めることで与えられる資格です。

資格取得者数 概ね1万5,000人前後
資格取得後の主な職場 児童養護施設・知的障害児施設・児童発達支援センター・放課後等デイサービスなど
給与(年収) 300~500万円
資格取得までのコスト
難易度
取得方法/期間 ・厚生労働大臣指定の養成機関卒業
・大学、大学院卒業(福祉、社会、教育、心理学科等)
・大学、短大、専門学校卒業(小中高の教員免許取得)
・高等学校卒業の場合、児童福祉施設の実務経験2年
・児童福祉施設の実務経験3年
・社会福祉士または精神保健福祉士

【厚生労働省の制度】10万人が受講の「精神・発達障害者しごとサポーター」


精神・発達障害者しごとサポーターは、厚生労働省が平成29年に開始した障害に関する基礎知識や理解を深めるための講座です。

全国各地のハローワークで開催されており、現在までに約10万人が受講しています。

職場でのコミュニケーション方法や必要な配慮について学び、受講後はストラップやシールなどの「サポーター意思表示グッズ」が進呈されます。

個人参加もできますが、ダイバーシティなどを推進する企業などが主に受講している講座です。

受講者数 10万人

資格取得後の主な職場 特になし(現在の職場での研修や個人の理解を深めるために取得される)
給与(年収) 就職に役立つ等の資格ではないため、収入に直接的な影響は無し
資格取得までのコスト 受講費用は無料
難易度 試験等は無し
取得方法/期間 講座自体は2時間程度

【出典】厚生労働省 精神・発達障害者しごとサポーター

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