マイナンバーカードと障害者手帳の情報が紐づき、マイナポータルで障害者手帳の情報が照会できるようになりました。しかし、過去に障害者手帳の情報が違う人のマイナンバーと紐付けられた報道もあったため、「怖い」と感じる人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、マイナポータルで障害者手帳の情報を確認する方法を解説しつつ、連携するメリットや注意点についても紹介していきます。
マイナポータルと障害者手帳の連携について正しく理解して、安心して行政手続きやサービスを利用していきましょう。
マイナポータルと障害者手帳を連携する方法
障害者手帳の情報は地方自治体によって紐付けられるため、手帳を所持している人が自分で手続きをする必要はありません。障害者手帳の情報はマイナポータルにある「わたしの情報」から確認できます。マイナンバーカードと障害者手帳が連携しているため、障害者手帳が手元になくてもマイナポータルから手帳の取得年月日や障害等級の確認が可能です。まだマイナポータルから情報を確認していない人は、一度自分の情報が正しく表示されているか確認してみましょう。情報に誤りがあると感じたら、窓口に連絡してみてください。
マイナポータルで障害者手帳の情報を確認する方法
マイナポータルで障害者手帳の情報を確認する方法は以下の通りです。
1.スマートフォンもしくはパソコンとICカードリーダライタを用意する
マイナポータルにログインするためにパソコンもしくはスマートフォンを用意しましょう。
マイナポータルにログインするには、以下のものが必要です。
-
- インターネットにつなげるパソコンかスマートフォン
- マイナンバーカード
- ICカードリーダライタ(スマートフォンで代用可能)
マイナポータルのログイン時に、マイナンバーカードを読み取ります。カードを読み込めるICカードリーダライタか読み取り機能がついたスマートフォンが必要です。
スマートフォンからログインする場合はマイナポータルアプリをダウンロードしておきましょう。
2.マイナポータルにログインする
パソコン・スマートフォンでマイナンバーカードの情報を読み取り、暗証番号を入力してマイナポータルにログインしましょう。マイナポータルにログインするときは毎回マイナンバーカードを読み取る必要があります。暗証番号を忘れた場合は、住民登録のある市区町村窓口で初期化・再設定をする必要があります。オンライン上では手続きできないので注意しましょう。
3. 「わたしの情報」から「障害保健福祉」を選択する
マイナポータルにログインできたら、メニュー画面にある「わたしの情報」の「福祉・介護」から「障害保健福祉」を選択しましょう。選択した画面から身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳情報の閲覧が可能です。
マイナポータルから閲覧できる具体的な情報は以下の通りです。
手帳の種類 | 確認できる項目 |
---|---|
身体障害者手帳 | ・身体障害者手帳初回交付年月日 ・身体障害者手帳返還年月日 ・身体障害者手帳再交付年月日 ・身体障害者手帳番号 ・身体障害者手帳等級コード ・障害名 ・身体障害者手帳障害情報 ・身体障害者手帳等級障害程度コード ・身体障害者手帳部位コード ・身体障害者手帳障害認定日 ・身体障害者手帳 旅客鉄道株式会社旅客運賃減額区分 |
精神障害者保健福祉手帳 | ・精神手帳番号 ・精神手帳交付年月日 ・精神手帳返還年月日 ・精神手帳再交付年月日 ・精神手帳等級コード ・精神手帳有効期間終了年月日 |
療育手帳 | ・療育手帳番号 ・療育手帳交付年月日 ・療育手帳返還年月日 ・療育手帳再交付年月日 ・療育手帳障害程度 ・療育手帳次回判定年月 ・療育手帳 旅客鉄道株式会社旅客運賃減額区分 |
出典:マイナポータル
マイナポータルでは手帳の情報だけでなく、自立支援に関する給付情報や療養介護・施設入所支援に関する情報も閲覧可能です。障害についての関連情報を知りたいときは、マイナポータルにログインすると正確な情報が簡単にわかります。
マイナポータルと障害者手帳が連携するメリット
ここではマイナポータルと障害者手帳が連携したことによるメリットを紹介していきます。
情報がネットで閲覧できてしまうと思うと不安な人もいるかもしれません。しかし、マイナポータルと連携されたことで、便利になった面もあります。今後もマイナンバーカードを使う機会は増えていくことが予想されます。苦手意識を持たずに活用していきましょう。
1.デジタル障害者手帳「ミライロID」と連携できる
「ミライロID」は株式会社ミライロが提供するデジタル障害者手帳アプリです。ミライロIDを利用すればスマートフォンを提示するだけで、障害者割引のサービスが受けられます。窓口で障害者手帳を見せることに抵抗がある人にも、スマートフォンを提示するだけで障害者割引を受けられる嬉しいサービスです。ミライロIDはマイナポータルと連携させなくても利用できますが、サービスによっては連携させていないと受け付けてもらえない場合があります。
マイナポータルとミライロIDを連携すると画面上にマイナポータルと連携済みのマークが表示されます。連携済みのマークが表示されることにより、サービスの担当者がアプリの存在を知らない場合もスムーズな受付が可能です。
ミライロIDとマイナポータルを連携させる方法は以下の通りです。
②ミライロIDアプリのホーム画面から「マイナポータル」のアイコンを選択する
③連携を確認する画面が表示されたら「連携する」を選択する
ホーム画面で「マイナポータル」が「申請中」になっていれば申請は完了です。ミライロIDとマイナポータルの連携審査は3営業日程度で完了します。連携できない場合は発行元機関が登録した情報に不備があるかもしれません。発行元である自治体の障害者手帳担当窓口に問い合わせてみましょう。注意点として、スマホの電池が切れてしまうとミライロIDも使えません。紙やカードの手帳も持ち歩いておくと安心です。
2.障害者手帳の情報を確認できる
手帳の初回交付年月日や有効期限、次回判定年月などの情報がマイナポータルから確認できるのもマイナポータルと障害者手帳が連携したメリットです。「手帳を直接確認すればいい」と思うかもしれませんが、複数の手帳を所持している場合などは、一度に確認できた方が必要な情報を効率よく把握できます。また、マイナポータルでは手帳だけでなく自立支援に関する給付情報など、関連した情報も閲覧が可能です。ただし、マイナポータルはログインするたびに、マイナンバーカードの読み込みを求められます。毎回マイナンバーカードを読み込むのは手間がかかるため、調べるときには一度で済ませると効率的でおすすめです。
マイナポータルと障害者手帳が連携するデメリットや注意点
マイナポータルと障害者手帳が連携したことによるデメリット・注意点として、セキュリティ面での不安があげられるのではないでしょうか。マイナンバーカードと障害者手帳の情報が誤って紐づいてしまった事例もあり、不安に感じている人もいるかもしれません。まだマイナポータルから障害者手帳を確認していない人は、一度マイナポータルにログインして登録されている情報を確認してみましょう。
マイナポータルからは自分のマイナンバーに紐づいた情報しか見られませんが、自分の情報が正しく表示されていることがわかれば不安は軽減されるはずです。もし、マイナポータルの情報を見て「変だ」と感じたら、自治体に連絡しましょう。また、マイナンバーカードを紛失した場合は窓口でカードの機能を停止できます。紛失・盗難窓口は24時間365日対応しています。マイナンバーカードをなくしたときはすぐにマイナンバーカードの紛失・盗難窓口に連絡してください。
不明点があれば窓口に問い合わせしよう
マイナポータルやマイナンバーカードと障害者手帳が連携されたことで、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。保険証や障害者手帳とマイナンバーカードを一体化しようという流れもあり、今後もマイナンバーカードを利用する機会は増えていくことが予想されます。安心してサービスを利用するためには、正しい知識を得て、サービスが正しく運用されているかを都度確認することが大切です。不安なことがあればマイナンバーカードの総合サイトにある問い合わせフォームや、フリーダイヤルから問い合わせてみましょう。
執筆者プロフィール