障害者雇用率ランキング!就職するならこの業種がおすすめ

障害者雇用率ランキング!就職するならこの業種がおすすめ


「就職活動するなら、障害者雇用率が高い業種をねらいたい」
「どんな仕事につけば、安定して働けるのだろう?」

この記事では、厚生労働省の調査「令和4年 障害者雇用状況の集計結果」に基づいて、障害者雇用率が高い業種をランキング形式で紹介します。

この記事を読むことで、障害のある方を積極的に雇用している業種がわかり、就職活動に役立ちます。
おすすめの仕事内容についても詳しく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

障害者雇用率の達成状況はどれくらい?

ランキングを見るまえに、全体の「障害者雇用率」について見ていきましょう。

法定雇用率が2.3%と定められている民間企業では、令和4年度の雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新しました。

雇用障害者数は61万3,958.0人で、前年と比べ1万6,172.0人、2.7%増加しています。

法定雇用率達成企業の割合は48.3%。前年と比べ1.3ポイントの上昇です。

一方法定雇用率2.6%(都道府県などの教育委員会は2.5%)となっている公的機関の障害者雇用は以下の通りです。

国 :雇用障害者数 9,703.0人(9,605.0人)、実雇用率 2.85%(2.83%)
都道府県:雇用障害者数 1万409.0人(1万143.5人)、実雇用率 2.86%(2.81%)
市町村:雇用障害者数 3万4,535.5人(3万3,369.5人)、実雇用率2.57%(2.51%)
教育委員会:雇用障害者数 1万6,501.0人(1万6,106.5人)、実雇用率2.27%(2.21%)

いずれも、雇用障害者数、実雇用率ともに対前年で上回っています。
法定雇用率2.6%の「独立行政法人など」も、雇用障害者数1万2,420.5人(1万2,244.5人)、実雇用率 2.72%(2.69%)と、雇用障害者数、実雇用率ともに対前年で上回りました。
企業・公的機関問わず、国全体として障害をもつ方の雇用率は上昇傾向にあるといえます。
しかしその一方、割合だけを見るとまだまだ「たくさんの障害者が雇用されている状況」だとはいえません。
自分に合った仕事に就けなかった場合、早期離職してしまう方も多く見受けられます。
「こんなはずではなかった」ということにならないよう、以下の条件に合った仕事を探しましょう。

  • 障害をもつ方に対する理解や配慮がある
  • 自分の興味関心に合った仕事である
  • 自分の特性に合っており、得意なことを活かせる仕事である

自分に合った仕事と出会えれば、やりがいを感じながら長く働き続けることができます。

業種別障害者雇用率ランキング&おすすめの仕事内容

では上述の厚生労働省資料から、業種別の障害者雇用率ランキングを見ていきましょう。

障害者雇用率上位の業種は以下のとおりです。(かっこ内は障害者実雇用率)

1位 医療・福祉(2.89%)
2位 鉱業・採石業・砂利採取業(2.47%)
3位 生活関連サービス業・娯楽業(2.38%)
4位 農業・林業・漁業(2.36%)
4位 電気・ガス・熱供給・水道業(2.36%)
6位 運輸業・郵便業(2.32%)

それぞれの業種の仕事内容について詳しく解説します。

1位 医療・福祉 (2.89%)

令和4年度の障害者雇用率では、医療・福祉の分野が第1位となりました。
医療分野では、医療事務や製薬メーカーの製剤製造工場での品質管理(品質試験)業務、検査試験業務なども業務内容に含まれます。
特に品質管理・検査業務は、以下のような特性をもつ方におすすめの仕事です。

細かい数字の計算が好き
きちょうめんな性格で、ミスが少ない
コツコツと作業に取り組むことができる

福祉分野では、ヘルパーや介護助手、保育関係の他、福祉・医療関係の施設での調理補助、清掃業務も仕事内容に含まれます。

  • 人と接したり、お世話をしたりすることが好き
  • 清掃技能検定を取得している
  • 調理補助や清掃の仕事の経験がある

以上のような方には、この業種がおすすめです。

2位 鉱業・採石業・砂利採取業(2.47%)

障害者雇用率2位になったのは、鉱業・採石業・砂利採取業です。
「鉱石や砂利の採取にはなじみがない」という方も多いのではないでしょうか。日常生活で目に触れる機会の少ない仕事といえますね。
実際の仕事内容としては、重機などを使用しての採石・採掘が主ですが、中には屋内で行う業務もあります。
採取した石・砂利の出荷作業です。製品のチェックなども仕事内容に含まれます。

  • 体を使う仕事が好き
  • 重機や機械に興味がある
  • 根気強く作業に取り組むことができる

以上のような方におすすめの業種です。

体力は必要ですが、その分やりがいをもって働くことができます。
お住まいの地域で求人があった場合には応募してみてはいかがでしょうか。

3位 生活関連サービス業・娯楽業(2.38%)

3位にランクインしたのは、生活関連サービス業・娯楽業です。
非常に幅広い業種を含みます。
たとえば、生活関連サービスとしては以下のような業種があります。

  • クリーニング(衣服・布団)
  • リネンサプライ
  • 美容室、理容室、エステサロン
  • 銭湯
  • 家事サービス
  • 衣服リフォーム

専門学校で技術を身につけている場合や、特別支援学校などで実習を行った経験がある場合は、比較的不安を感じずに応募できるでしょう。

  • 接客をするのか作業のみなのか
  • 資格は必要か
  • 勤務時間や給与

等々、求人情報をしっかり読み込むことで、自分に合った職場を見つけることができます。

娯楽業としては、以下のような業務があります。

  • パチンコ
  • ボーリング
  • カラオケ
  • ゲームセンター など娯楽施設での清掃、接客

こちらも、接客が中心なのか、賞品の補充や清掃など裏方の仕事なのかによって、適性はまったく異なります。

「人と接することが苦手なのに受付業務をやらされ、つらい思いをした」
「コミュニケーションが好きなのに、1日中ひたすら個人作業。ぐったりと疲れてしまった」

このようなことのないよう、あなたの特性・適性とマッチする仕事を選ぶようにしましょう。

4位 農業・林業・漁業(2.36%)

4位は同じ割合で2種類がランクインしました。

農業・林業・漁業は、「第一次産業」と呼ばれるものです。

  • 農作物の栽培・収穫、養蚕・家畜などの飼育
  • 材木の育成・伐採
  • 水産動植物の捕獲・養殖などの仕事
  • その他の農林漁業類似の仕事や関連する仕事に従事するもの

以上のように、とても幅広い仕事内容です。

これらの仕事は地域性に大きく左右されます。
お住まいの地域にどのような産業があるのか、調べてみると良いでしょう。

屋外での作業はもちろんのこと、生産した作物の加工・販売を含む場合もあります。

  • 「ものづくり」が好き
  • 自然の中で過ごすことが好き
  • 体力に自信がある

以上のような方には向いている仕事だといえます。

4位 電気・ガス・熱供給・水道業(2.36%)

同じく4位になったのが、電気・ガス・熱供給・水道業です。
電気やガス、熱、水を供給する仕事や汚水や雨水の処理などをする仕事であり、生活の基盤を支える大事な業種だといえるでしょう。
作業員のほか、各家庭を回って検診を行う「検針員」もこの仕事に含まれます。
屋外での作業が多く、体力的にきつい部分もありますが、人の役に立っていることが実感できる仕事です。

6位 運輸業・郵便業(2.32%)

6位に入ったのは運輸業・郵便業です。
運輸業の一般的な仕事内容としては集荷、荷積み・荷下ろし、配送・配達、梱包や伝票作成などが挙げられます。
企業によっては、宅配時やルート配送時に顧客や近隣へのセールスを担当する場合もあります。
また、運輸業には鉄道も含まれます。

一方郵便業とは、その名のとおり「郵便」に関わる仕事です。
郵便物の引受や収集、区分け、配達などを行います。
運輸業の中には、倉庫業も含まれます。
運送されてきた貨物や荷物を受け取り、指定されたお客様へ配達することも仕事です。

繁忙期には多くの配達物をさばかなくてはならないので、ある程度の「マルチタスク」ができることも求められます。

  • 車や鉄道に興味がある
  • 運転が好き
  • 力仕事が苦にならない
  • たくさんの荷物を分類したり、届けたりすることに興味がある

以上のような方に向いています。

まとめ 「障害者雇用率」は仕事選びの目安のひとつ

日本の障害者雇用率は上昇傾向にあります。
少しずつではありますが、障害をもつ方が働きやすい環境が作られつつあるのです。

記事の中では障害者雇用率が高い業種を紹介しました。
障害者雇用率が高い業種は、以下のような特徴が期待できます。

  • 分かりやすいマニュアルがある
  • 受け入れる上司や同僚も、障害理解がある
  • 障害や特性があっても働ける環境が整っている

就職活動や転職活動の際にご自分の特性や興味に合った仕事を選ぶことが大事なのは、言うまでもありません。
それに加え、「障害者雇用率」もひとつの目安にしてみてはいかがでしょうか。

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