障害者割引・優待制度を活用しよう!障害者手帳で受けられるサービス一覧

障害者割引・優待制度を活用しよう!障害者手帳で受けられるサービス一覧


障害者手帳を所有していると、様々なサービスや割引などの優遇措置を受けることができます。

しかし、その種類は非常に多く、日常生活のどのシーンでどんなサービスを受けられるかを把握している方は少ないようです。

そこでこの記事では、障害者手帳を活用した割引・優待制度を「住まい」「支払い」「交通」「娯楽」「通信」に分けて、主なサービスとその内容を紹介します。

「住居費」の優遇・割引サービス

障害者の住宅状況は、東京都では持ち家(家族の持ち家を含む)が全体の約57%で一番多く、次いで公営住宅、UR(旧公団)、民間の賃貸住宅の順となっています(平成30年度東京都「障害者の生活実態」より)。

公営住宅やURに住んでる世帯は、下記のような家賃の割引を受けることができます。障害者手帳で受けられる割引制度は都道府県や市区町村によって違いがあるため、ここでは東京都を例に紹介します。

東京都住宅供給公社「特別減額」

都営住宅に住む母子・父子家庭、寝たきり、障害者、常時介護を必要とする難病患者、公害患者の各世帯で、所得月額が158,000円以下の世帯を対象として、住宅使用料(家賃)が2分の1に減額されます。

【参考】東京都住宅供給公社「特別減額」

UR都市機構「家賃改定特別措置」

URに住む低所得の心身障害者、高齢者、子育て世帯が対象で、家賃改定で値上がりする世帯は、改定前の家賃まで減額される制度。心身障害者世帯とは、障害者手帳に記載される程度が1~4級、精神障害者は1級か2級に相当する人、精神障害者の程度に相当する知的障害者を含む世帯を指します。(引上げ前の家賃より更に減額する制度ではありません。)

【参考】UR都市機構「家賃改定特別措置」

他の都道府県でも独自の施策を講じています。住まいに関する割引制度を活用したい方は、お近くの役所または管轄の住宅供給公社で確認してください。

「公共料金・税金」の優遇・割引サービス

生活する上で避けられない支出に「税金」と「公共料金」がありますが、こちらも障害者手帳を所有していることで減免となる制度があります。国税、地方税、公共料金に分けて紹介しましょう。

【国税】

所得税の所得控除

1年間の所得に課せられる税金が、障害者の程度によって控除されます。控除額は27万円。特別障害者は40万円。生計を共にする配偶者や扶養親族と同居している特別障害者は75万円となります。

特別障害者とは
・身体障害者手帳が1級または2級の人
・精神障害者保険福祉手帳が1級の人
・知的障害で療育手帳にAと記載のある人
特定障害者とは
・特別障害者および精神に障害があり物事の道理を理解する能力を欠く人

相続税の所得控除

障害者が財産を相続したとき、満85歳に達するまで、1年間につき10万円が相続税から差し引かれます。特別障害者は20万円となります。

贈与税の免除

生活費に充てるなど財産の贈与が行われる場合、特別障害者は6,000万円まで、特別障害者以外の特定障害者は3,000万円まで贈与税が非課税となります。

※障害者等級や程度により非課税対象額が異なるため、国税庁や税務署にお問い合わせください。

少額貯蓄の利子等への課税免除(マル優)

障害者手帳を所有している人が受け取る預貯金等(銀行預金、貸付信託、公社債など)の利子等について、貯蓄額350万円までの利子等が非課税になります。

【地方税】

住民税の所得控除(新宿区の場合)

住民税は、1月1日時点で住所のある地方自治体から課せられる税金で、県民税と市民税を合わせたもの。障害者控除額は3段階に区分され、障害者は26万円、特別障害者は30万円、生計を共にする配偶者や扶養家族と同居している特別障害者は53万円です。

なお、障害者で前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は204万4,000円未満)の人は非課税となります。

※市区町村により規定が異なります。

自動車税

障害者手帳を所有する人が使用する自動車で一定の要件を満たす場合、自動車税(上限45,000円)と自動車取得税(課税標準額300万円相当分に税率を乗じて得た額)が減免されます。

※減免額は排気量などによって異なります。

【参考】障害者と税|国税庁

【公共料金】

水道料金の減免(横浜市)

障害者手帳所有者のいる福祉減免適用世帯に関して、申請書の提出により、上下水道料金の基本料金部分が減免されます。

※障害者に対して水道料金の減免措置を行っていない自治体もあります。

【参考】横浜市 水道料金のしくみ

NHK受信料

住民税が非課税となっている世帯はNHK受信料が全額免除、その他の障害者の世帯は半額に減額されます。

【参考】NHK受信料

「交通・道路」の優遇・割引サービス

住居費と公共料金以外にも生活する上で欠かせないのが「交通費」です。割引制度のある公共交通機関は地域によって異なりますので、ここでは主な交通機関に絞って紹介します。

【JR東日本】

第一身体障害者手帳または療育手帳の所有者と介助者1名が対象。障害者手帳を提示することで乗車料金が半額になります。

【参考】JR東日本

【自治体の運営する交通機関(東京都)】

都営バス、都営地下鉄、都電について、身体障害者手帳または療育手帳を所有している人は「都営交通無料乗車券」を、精神障害者手帳の所有者は「精神障害者都営交通乗車証」を発行してもらえます。

【参考】自治体の運営する交通機関(東京都)

【航空運賃】

各障害者手帳の所有者に対し、JALの場合は約20%割引になります。

※割引対象は国内線だけで国際線には適用されません。

【参考】JAL障がい者割引

【高速道路】

身体障害者手帳、療育手帳の所有者のうち重度の障がいをお持ちの方に対し、高速道路の料金が50%割引に。運転する人が障害者本人かどうかなどによって適用基準が異ります。

【参考】NEXCO東日本

【タクシー】

身体障害者手帳または療育手帳の所有者は、手帳を提示することでタクシー料金が1割引きになります。精神保健福祉手帳の所有者はタクシー会社によって適用外となる場合があるので、利用する際は事前にタクシー会社に確認しましょう。

【参考】東京ハイヤー・タクシー協会

「娯楽やエンターテイメント」の優待・割引サービス

外出したときはレジャーも楽しみたいもの。障害者割引を実施しているレジャー施設はとても多く、映画、美術館、展望台など、さまざまなスポットで割引を受けられます。ここでは全国的に知られている施設の割引制度を紹介します。

遊園地・テーマパーク

東京ディズニーランド

「1デーパスポート(障がいのある方向け)」が発売されています。

・大人(18歳以上*18才の高校3年生は、高校を卒業する年の3月末まで中人料金が適用) 6,500 円- 8,700円(一般は7,900 円- 10,900円)

・中人(12~17歳*12才の小学6年生は、小学校を卒業する年の3月末まで小人料金が適用) 5,300円 – 7,200円(一般は6,600円 – 9,000円)

・小人(4歳~11歳) 3,800 円- 4,400円(一般は4,700円 – 5,600円)

【参考】東京ディズニーリゾート

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)

「障害者向け割引スタジオ・パス(1日入場券)」が発売されています。

・大人(12歳以上) 4,700円~(一般は8,600円~)
・子供(4~11歳) 3,200円~(一般は5,600円~)

【参考】ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

ハウステンボス

「ワンデーパスポート(1日入場券)」が割引になります。

・大人(18歳以上)4,100円(一般は7,000円)
・中高生3,500円(一般は6,000円)
・小学生2,700円(一般は4,600円)
・未就学児2,100円(一般は3,500円)

【参考】ハウステンボス

横浜八景島シーパラダイス

各障害者手帳の所有者と同伴者1名が対象。4つの水族館を観覧できる「アクアリゾーツパス」が半額になります。

【参考】横浜八景島シーパラダイス

旭川動物園(北海道)

各種障害者手帳の所有者と同伴者1名が対象。入園料(大人1,000円)が無料になります。

【参考】旭川動物園

映画・イベント

TOHOシネマズ(新宿)

各障害者手帳の所有者と介助者1名が対象。大人2,000円のところ1,000円の割引になります。

【参考】TOHOシネマズ(新宿)

KINEZO

障害者手帳の所有者は、一般が2,000円のところ1,000円の割引になります。

※障害者手帳の種類等は運営元にご確認ください。

【参考】KINEZO

木下サーカス

障害者手帳提示にて当日券4,000円が半額になります。

【参考】木下サーカス

「携帯・インターネット」の優遇・割引サービス

すっかりインターネット社会となった今、スマホやインターネットの料金も気になるところですが、障害者割引制度を導入する通信会社も多くあるので、その一部を紹介します。

携帯電話・モバイルWi-Fi

ハーティ割引(ドコモ)

各障害者手帳の所有者は、基本使用料が1,507円割引、その他サービスが60%割引になります。

【参考】ハーティ割引(ドコモ)

スマイルハート割引(au)

各障害者手帳の所有者は、各プランの基本料金から1,700円、1,000円、50%のいずれかの割引を受けることができます。そのほかにSMSや通話料の20%、50%の割引サービスもあります。

【参考】auスマイルハート

ハートフレンド割引(ソフトバンク)

各障害者手帳の所有者は、通話基本料から1,870円割引、契約事務手数料が無料、その他オプションサービスが60%割引されます。

【参考】SoftBankハートフレンド割引

UQ Flatツープラス(2年)ハート割

各障害者手帳の所有者向けのプランで、2年契約の場合は基本使用料4,196円から500円割り引いた金額、3,646円が2年間ずっと続きます。3年契約、4年契約とあります。

【参考】UQ WiMAX

まとめ

障害者手帳を所有していることで受けられる割引サービスの一部を紹介しました。

割引サービス以外にも遊園地のアトラクションを優先的に利用できるところや、障害者用のスポーツ用品を無料レンタルできる自治体、各種の優遇措置制度を設けている機関などまだたくさんあります。

障害者向けの優遇措置は、日頃の生活で必要なサービスや用具を便利に安く利用できるようにすることで、障害者の社会参加を促すのが一つの目的でもあります。

調べてみると意外な機関や店舗で優遇制度を導入していることがあります。自分がやってみたいことがある時は障害者支援制度が適用されるかどうかチェックしてみてください。市区町村の障害福祉課に問い合わせてもいいでしょう。

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