2021年、障害者手帳がマイナンバーカードと一体化予定。統合したらどうなる?

2021年、障害者手帳がマイナンバーカードと一体化予定。統合したらどうなる?


2020年(令和2年)9月16日に就任した菅義偉首相は、マイナンバーカードの普及を加速させる考えです。中でも注目していきたいのは、障害者手帳とマイナンバーカードの一体化。

これまで「障害者手帳がかさ張って不便」と感じていた人には、朗報と言えるのではないでしょうか。今後、障害者手帳にどのような変化があるのか見ていきたいと思います。

【2023年最新】マイナポータルと障害者手帳の連携について解説!メリットや注意点を紹介

そもそもマイナンバーカードとは?

マイナンバーカードとは、2016年1月に開始された「マイナンバー制度」に合わせて導入されたカードです。

「マイナンバー」という個人番号が記載されているため、「マイナンバーカード」と呼ばれています。

日本で使える顔写真付きの身分証明書で、各自治体に申請することで取得可能となっています。

カード裏面にはICチップが搭載されており、読み取り機で本人かどうかの認証ができます。

【出典】パンフレット、チラシ、副教材 : マイナンバー(社会保障・税番号制度)- 内閣府

マイナンバーは日本の全住民一人ひとりに強制的に付与されましたが、2020年12月時点でマイナンバーカードの普及率は全国で2割程度に留まっています。

普及率が低調な理由は、「プライバシーの侵害」に不安を持つ人が多いことや、生活する上で「マイナンバーカードがなくても困らない」という点が挙げられます。

日本政府はデジタル社会の構築を実現するため、国民に同カードの取得を推進。個人が自分専用のページを持つ「マイナポータル」を開始し、行政サービスの利用を申請したり、自分の情報が使われた履歴を確認したりできるサービスを提供しています。

【参考】知っておきたいマイナンバーカードの基礎知識

障害者手帳との一体化におけるメリット

マイナンバーカードのさらなる普及につなげたい日本政府は、同カード1枚で様々な用途に使えるよう利便性の向上に取り組んでいます。

障害者手帳についてもその取り組みの1つで、処方薬の履歴を記録する「お薬手帳」と共に2021年中に統合される予定です。

お薬手帳をよく利用する人であれば、カードに搭載されたICチップで個人認証するだけで、どこにいてもネット上で自分が過去に服薬した薬を確認できるようになります。

複数の医療機関から薬を処方されている場合でも一括管理できるため、二重投薬や薬の副作用を防げるメリットもあります。

また、2021年3月以降は、マイナンバーカードが健康保険証の代わりとして使えるようになります。

「顔認証付きのカードリーダー」を設置する医療機関や薬局では同カードをかざすだけで健康保険証を持たなくても受診可能です。

【出典】パンフレット、チラシ、副教材 : マイナンバー(社会保障・税番号制度) – 内閣府

ここでも過去の薬や特定健診の情報が自動で連携しているため、自分で説明しなくても、医師や薬剤師に情報を伝えられます。

また、窓口で限度額を超える医療費の一時支払いが不要になるというメリットもあります。

【参考】マイナンバーカード、’21年3月から健康保険証になる。申込受付開始 – Impress Watch

障害者手帳とマイナンバーカード一体化の疑問Q&A

障害者手帳とマイナンバーカードが一体化することで、お薬手帳や健康保険証の情報が共有できるなど、いくつかメリットがあることがわかりました。とは言え、まだ色々と疑問があるのではないでしょうか。いくつかピックアップしてQ&A形式で解説します。

マイナンバーカードは持ち歩いても大丈夫?

障害者手帳や健康保険証と一体化しても、受診歴や薬剤情報といったプライバシー性の高い情報がカードのICチップに入ることはありません。

万一、マイナンバーカードを落としたり、失くしたりした場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)にて24時間365日体制でカードの一時利用停止を受け付けています。

また、医療機関・薬局の窓口ではマイナンバーカードは預かりません。マイナンバーカードに搭載されたICチップ内の利用者証明用電子証明書を利用するのみです。

マイナンバーカードはどこの病院や薬局で使える?

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるよう、政府は医療機関・薬局のシステム整備を積極的に支援。2023年3月末頃までには、日本全国の医療機関等での導入を目指しています。

利用できる医療機関・薬局については、厚生労働省・社会保険診療報酬支払基金のホームページで公表予定です。自分がよく使う医療機関や薬局の情報を確認しておきましょう。

政府に預金額を把握されるのでは?

政府は、国民1人につき1口座を「公金受取口座」とし、マイナンバーと連携させることを目指していました。目的は預金残高ではなく、新型コロナウイルス禍のような緊急時における給付金を速やかに実行するためです。

しかし、政府による預金口座把握への懸念があったことから、現時点では義務化は見送りとなっています。

なお、現行の法律では、国が残高を見ることは原則できません。関連法が改正されても、その心配はないと言われています。

【参考】
マイナンバーカードの保険証利用について(被保険者証利用について)
新型コロナ: マイナンバーと口座ひも付け、義務化見送り 政府: 日本経済新聞

将来的には障害者手帳もスマホへ搭載される?

障害者手帳がマイナンバーカードと一体化することで、さらに便利になることが増えていきそうです。

日本政府は、将来的にスマートフォンへのマイナンバーカード搭載も目指しています。

【出典】総務省| マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会|マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会(第1回)

マイナンバーカードは「なりすまし」を防ぐため、ICチップに本人確認のための電子証明書を格納しています。

そのため現在は、オンライン申請の度に読み取り機にカードをかざす必要がありますが、スマホ搭載すれば読み取りが不要になり、利用者の手間が省けるようになります。

スマホへの搭載の実現には本人確認方法を規定する公的個人認証法の改正も必要となるため、制度整備が急がれます。現段階では、2022年度内にAndroid端末の搭載が目標です。

最近は、障害者手帳をスマホで手軽に管理できるアプリも登場。公共交通機関やレジャー施設など、使える場所が拡大しています。

障害者手帳、マイナンバーカード、そしてスマホ。全てが安全・簡単に連携することを期待しましょう。

【2023年最新】マイナポータルと障害者手帳の連携について解説!メリットや注意点を紹介

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