障害者手帳を持っていると、共通の優遇措置や都道府県ごとに違う特別なサービスを受けられることがあります。 障害者年金がもらえたり住民税が安くなったりするのはどこに行っても同じですが、地域によっては「こんなものが安くなるの?」「知らなかった!」と思える優遇措置や割引サービスもあります。 今回は三重県に限定して、障害者手帳で受けられる支援サービスや割引・減免制度をご紹介いたします。
障害者手帳で適用される三重県の「手当金や支援金」
三重県では、障害者手帳をお持ちの方に対して、以下のような手当金や支援金が支給されています。
【特別障害者手当】
身体・知的・精神障害の程度に応じて、定期的に現金給付があります。三重県または各市町村(例:桑名市など)で所得に応じた支給があり、第1~4級の手帳を所持していれば、3か月ごとに受給可能です。
参考:三重県・障害児福祉手当・特別障害者手当等について
【障害児福祉手当】
20歳未満の障害児を育てる保護者に、所得制限のもと福祉給付が支給されます。
参考:三重県・障害児福祉手当・特別障害者手当等について
【特別児童扶養手当】
精神または身体に中程度以上の障害がある20歳未満の児童を養育する保護者に支給されます(所得制限あり)。参考:三重県・障害児福祉手当・特別障害者手当等について
【重度障がい者等 医療費助成(福祉医療費助成制度)】
三重県では、市町が福祉医療費助成制度を実施しており、県は一定の要件で市町を補助しています。対象や助成内容は市町で拡大されている場合があります。代表的な要件(県の補助基準)は以下の通りです。
対象例(県補助要件)
・身体障害者手帳 1〜3級
・療育手帳 A1(最重度)・A2(重度)、または IQ35以下
・身体障害者手帳 4級 かつ IQ50以下、または療育手帳 B1(中度)
・精神障害者保健福祉手帳 1級(通院のみ)
※ 所得制限あり(障害児福祉手当の所得制限額以上の場合は対象外 など)
【自立支援医療(更生医療・育成医療・精神通院医療)】
医療費自己負担を原則1割(所得に応じ上限設定あり)に軽減する制度です。指定医療機関・薬局での受診が必要で、指定や更新の手続きは県が所管しています。
・更生医療・育成医療(身体障害が対象/手術・治療など)
・精神通院医療(精神疾患の通院治療)
障害者手帳の提示などで割引される三重県の「交通・運賃」
障害者手帳を提示することで、三重県内のさまざまな交通機関で運賃割引を受けることができます。日常の通勤通学から旅行まで、交通費を抑えることができる制度です。以下では、主要な鉄道路線ごとに割引内容を解説いたします。
【鉄道】
■近畿日本鉄道(近鉄)
障害者割引の確認に、デジタル障害者手帳アプリ「ミライロID」の提示も可能(当社線内相互間発売時)。詳細は近鉄公式をご確認ください。
※JR各社や私鉄(伊勢鉄道、三岐鉄道 など)も、国の基準に準じた障害者割引を設けています。詳細は各社の公式ページでご確認ください。参考:近畿日本鉄道・運賃と使用時のご注意
【バス運賃の割引】
■三重交通・八風バス・三重急行自動車・三交伊勢志摩交通
普通運賃:5割引/定期運賃:3割引
対象:身体・療育 1種 … 本人と同伴1名/身体・療育 2種・精神保健福祉手帳 … 本人
ミライロIDは“マイナポータル連携済み”であることが必須/原本携帯も必要、などの運用条件があります。参考:ミライロIDが使える場所・三重交通
【タクシーの割引】
障害者手帳提示により運賃が1割引になりますが、事業者により異なるため、事前確認が必要です。
【有料道路通行料金の割引】
通常料金の50%割引。事前申請・登録が必要(ETC利用時はETCカードや車載器情報の提出が必要)。
三重県内の各市が窓口になっており、要件・手続きはほぼ共通です(有効期限:概ね「手続き後2回目の誕生日まで」など、市により細則あり)。
・四日市市(申請必須/対象要件を明記)
・伊勢市(必要書類・有効期間・ETC登録の詳細を明記)
・桑名市、鈴鹿市、伊賀市 なども同様に取扱いあり
参考:四日市市・有料道路通行料金の障害者割引について伊勢市・有料道路通行料金の割引桑名市・有料道路の通行料金の割引鈴鹿市・障がい者の有料道路通行料の割引伊賀市・障がいのある人に対する有料道路通行料金割引制度
【自動車燃料券やタクシー券(伊賀市)】
伊賀市では重度障害者には通院や社会参加のための燃料券、伊賀鉄道券などを選択制で交付(2025年実施)
参考:伊賀市・障がい者タクシー等利用料金・自動車燃料費・伊賀鉄道利用料金の助成
【おでかけ乗車券(伊勢市)】
伊勢市では身体・知的・精神障害者手帳の等級1〜3級に該当する方に、100円×40枚、または50円×80枚の乗車券が交付されます(令和7年度申請可)
参考:伊勢市・おでかけ乗車券の交付
障害者手帳があれば割引が利く三重県の「施設」
三重県内の施設で、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳(またはミライロID)を提示すると、利用料や入館料が無料または割引になる施設があります。
【三重県総合博物館(MieMu)】
障害者手帳(身体・療育・精神)またはミライロID提示で、本人と介護者1名は観覧料免除。
参考:三重県総合博物館
【三重県立美術館】
障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳、またはミライロIDの提示で、本人および付き添い1名まで観覧無料。
参考:三重県立美術館
【みえこどもの城】
障害者手帳(身体・療育・精神)提示で、本人と付添者1名が館内の主要コーナーを無料で利用可能(ミライロID可)。
参考:みえこどもの城
このほか、市町運営の文化・スポーツ施設でも、手帳提示で利用料が減免されるケースが多くあります。お住まいの自治体の「障がい福祉」「文化施設」等のページでご確認ください。
三重県が行う障害者手帳所持者への「支援制度」
三重県では、障害者手帳を所持している方々に対して、生活の質を向上させるためのさまざまな支援制度を提供しています。福祉や生活支援だけでなく、医療・就労・教育など多方面にわたる制度が整備されています。以下は、三重県で行われている主な支援制度の一部です。
【自立支援医療制度(更生医療・精神通院医療・育成医療)】
医療費自己負担を原則1割(所得に応じ上限設定あり)に軽減する制度です。指定医療機関・薬局での受診が必要で、指定や更新の手続きは県が所管しています。
・更生医療・育成医療(身体障害が対象/手術・治療など)
・精神通院医療(精神疾患の通院治療)
【番外編】全国共通で使える主な割引・優待
最後に番外編として、三重県内および全国共通で利用できる障害者割引サービスをご紹介します。
【携帯電話料金の割引】
NTTドコモ・au・ソフトバンクでは、障害者手帳の所持者に対して、基本料金や通話料の割引を提供しています(※申込時に手帳提示と本人確認が必要です)。参考:NTTドコモ「ハーティ割引」ソフトバンク「ハートフレンド割引」 au「スマイルハート割引」
【映画館での割引】
本人+介助者1名=各1,000円など/映画館により異なります。
まとめ
三重県では、障害者手帳を持つ方が、相談体制・手当・公共料金・交通費・医療費など多岐にわたる支援を受けられるよう、県と市町村が連携して制度を整備しています。
利用できる制度は多く、詳細や申請方法は各市町村の福祉課・交通政策課などの公式窓口かウェブサイトを確認してください。
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