発達障害者の社会福祉士資格取得について〜通信制学校をオススメする理由〜

発達障害者の社会福祉士資格取得について〜通信制学校をオススメする理由〜

<発達障害者(ASD,ADHD)女性 30代>
製造業に勤務
社会福祉士の資格取得を目指したい
働きながら社福の資格を取得するにはどうすれば良いか

発達障害者が大人になって働くなかで「学びなおしたい」「福祉関係の資格を取りたい」と思う人もいるでしょう。ですが働きながら勉強するのは、大変です。加えて発達障害者は、日々仕事をこなすだけでも精一杯なのに、勉強できるのかと不安を感じる人もいるでしょう。
そんな人にオススメなのが、通信制の学校で資格取得を目指すことです。
この記事では、通信制の学校をオススメする理由や注意点、勉強を続けるための工夫についてお伝えします。また給付金制度についてもお伝えしていますので、是非参考にしてください。

働きながら社会福祉士の資格を取得するなら、通信制の学校がオススメ


社会福祉士の資格を取得するのに通信制の学校をオススメする理由として、下記があります。

  • 自分のペースで勉強できる
  • 対人関係で悩まなくて良い
  • 単位取得は「レポート提出」が多い

次にて説明します。

1.自分のペースで勉強できる

1つめは「自分のペースで勉強できる」ことです。通学制の学校ですと決められた時間に講義を受講します。ですが発達障害者の中には、下記の悩みを抱えている人が多いです

  • 朝起きられないので、講義に遅刻してしまう
  • 講義を忘れることが多い
  • 授業中集中できずに、居眠りをしてしまう
  • 感覚過敏の為、他の生徒の香水や雑音が気になって授業に集中できない

通信制の学校の場合、自宅で勉強します。自分のペースで勉強できるので、発達障害者は負担が少なくなるでしょう。また音や匂いなどの刺激が少ないので、感覚過敏の人も安心して講義を受けることができます。

2.対人関係で悩まなくて良い

2つめは「対人関係で悩まなくて良い」ことです。通学制の大学だと、数人でグループワークをすることがあります。発達障害者はコミュニケーション能力が乏しい人が多いので「空気が読めない」「周りに相談せず、自分勝手な行動を取りがち」になり、孤立してしまいます。
ですが通信制の学校の場合、他の学生と交流する機会がほとんどないので、対人関係で悩まなくて良いというメリットがあります。社会福祉士を目指す社会福祉学科は、演習として数回程度学校に登校することはあるでしょう。ですが社会福祉の勉強をしている人達の集まりなので、特性があっても受け入れてくれることが多いです。

3.単位取得は「レポート提出」が多い

3つめは「単位取得はレポート提出が多い」ことです。前述したように、発達障害者は学校内で孤立しがちです。すると、テストの出題範囲や過去問の入手が困難になります。単位取得ができず、留年する可能性が高くなるのです。
通信制の学校の単位取得は「レポートを提出し、合格する」ことで単位取得できます。良くも悪くも自分の実力のみで評価されるので、発達障害者に取ってはやりやすい環境であるのです。

通信制の学校で気をつけること


通信制の学校で気をつけることは、下記2つになります。

  • スケジュール管理
  • 実習の調整

次にて説明します。

1.スケジュール管理

1つめは「スケジュール管理」です。通信制の学校の場合、レポートの催促はされないことが多いです。なので、スケジュール管理が必須になります。
しかし発達障害者は、スケジュール管理が苦手な人が多いです。ASDの場合、こだわりが強いという特性から「レポートを完璧に仕上げなければいけない」と考え、提出が遅れることがあります。またADHDですと不注意や衝動性の特性から、レポートに取り組むのが遅くなりがちです。

2.実習の調整

2つめは「実習の調整」です。社会福祉士の受験資格を得る為には、実習が必要不可欠です。実習は基本的に1ヶ月行います。社会人ですと1ヶ月仕事を休むのは難しいでしょう。加えて「上司や同僚とのコミュニケーションが苦手」という特性を持っている発達障害者は、さらに困難になる可能性があります。

発達障害者が通信制の学校で勉強する為の工夫


発達障害者が通信制の学校で勉強する為の工夫として、下記があります。

  • 教材が届いたら、すぐ取り組む
  • スマホと手帳でスケジュール管理
  • 実習が始まる半年前から職場や大学に相談する

次にて説明します。

1.教材が届いたら、すぐ取り組む

1つめは「教材が届いたら、すぐ取り組む」ことです。通信制の学校の場合、教材が届きます。届いたら、すぐに開封しましょう。「何が入っているのか」「レポートはどのように提出すると良いか」といった、ハードルが低めでできそうなことから、取り組むことをおすすめします。

2.スマホと手帳でスケジュール管理

2つめは「スマホと手帳でスケジュール管理をする」ことです。発達障害者の特性として「時間の感覚が乏しい」というのがあります。時間の感覚をつかむのが苦手なので「○日まで」と言われても、間に合うのか分からないことが多いのです。結果的に間に合わなくなり、慌てることになります。
それを防ぐために、スマホと手帳でスケジュール管理を行うことをオススメします。使い方の例として、下記があります。

  • スマホのリマインダー機能を使う。レポート提出日の1週間前、3日前にリマインド設定を行い、音で把握しやすくする。
  • 手帳に「あと○日」「あと△時間」と具体的な数字で把握する。

また郵便でレポートを提出する場合、遅くとも締め切りの3日前までに提出することをオススメします。これは経験談なのですが、住んでいる場所によって届く日が異なります。週明け(月曜日)までに提出だからと金曜日に郵便に出しても、場所や台風などによっては、とどくのが遅くなることがあるからです。
なので、週明けの場合は遅くとも水曜日までに郵送すると良いでしょう。

3.実習が始まる半年前から職場や大学に相談する

3つめは「実習が始まる半年前から職場や大学に相談する」ことです。前述したように、実習は1ヶ月かかります。仕事の調整などを踏まえて、半年前くらいに職場の上司に相談しましょう。
もし職場の上司に相談するのが難しい場合は、先に大学の先生に相談するのも良いです。その際「発達障害の特性があること」「職場の上司にどう相談して良いか分からない」と言うと、一緒に考えてくれるでしょう。
私の場合、派遣で製造業の仕事をしていました。更新前の面談で社会福祉士になる為に通信制の大学で勉強していること。実習の1週間前に仕事を辞める旨を伝えました。すると派遣先の係長から「実習が終わったらまた来て欲しい」というお言葉を頂きました。なので実習の1週間前に退職し、実習が終わったら再度派遣会社と雇用契約を結び、国家試験の前まで派遣先で働くことができました。

給付金制度について

「社会福祉士の資格を取りたいけれど、お金がない」という人もいるでしょう。その場合には「専門実践教育訓練給付金制度」を活用しましょう。
専門教育訓練給付金制度とは、介護福祉士や社会福祉士等、特定の資格を取得する際にかかる費用の一部が給付されるというハローワークの給付金の制度です。給付金を受けるには雇用保険加入などの条件があるので、事前に確認しましょう。
注意することは「専門実践教育訓練給付金は、学校によっては支給されない。」ことです。養成施設の対象は専門学校や養成施設であることが多く、通信制大学の場合、対象外であることが多いです。
学校を選ぶときは、給付金の受講要件を満たしている施設かどうかも、確認しましょう。

【参照】
厚生労働省 専門実践教育訓練制度の案内
日本福祉大学中央福祉専門学校

まとめ

通信制の学校は自分のペースで取り組める半面、スケジュール管理が求められます。最初は上手くいかないことが多いでしょう。ですが少しずつ取り組んでいくと、徐々に自分に合ったやり方がわかるようになります。
社会福祉士の資格を取りたいと考えたら、是非資料を取り寄せてみてください。

執筆者プロフィール

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