障害者手帳で受けられる福岡県の支援サービスや割引・減免制度一覧

障害者手帳で受けられる福岡県の支援サービスや割引・減免制度一覧


障がい者手帳を持っていると、共通の優遇措置や都道府県ごとに違う特別なサービスを受けられることがあります。
障がい者年金がもらえたり住民税が安くなったりするのはどこに行っても同じですが、地域によっては「こんなものが安くなるの?」「知らなかった!」と思える優遇措置や割引サービスもあります。
今回は福岡県に限定して、障がい者手帳で受けられる支援サービスや割引・減免制度をご紹介いたします。

障がい者手帳で適用される福岡県の「手当金や支援金」

最初に、障がい者手帳を持っているなら必ず確認しておきたい、福岡県の「手当金や支援金」等についてご紹介します。

【特別障がい者手当】
日常生活で常時介護を必要とする20歳以上の重度障がい者に、福岡県では月額27,980円が支給される。
※障がい者控除を含めた所得額による制限あり

【障害児福祉手当】
重度障がい児に、その障がいのため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として福岡県では月額15,220円が支給される。
※所得額による制限あり

【重度障がい者医療費助成】
重度障がい者の方が、病気やけがをして医療機関等を受診した場合に、医療保険における自己負担の一部を公費負担する制度。
【対象者】 県内に住所を有し、医療保険に加入している以下に該当する重度障がい者
・「身体障がい者手帳」の交付を受けている人で、障がいの程度が1級または2級の人
・知的障がい者で知能指数35以下の人
・「身体障がい者手帳」の交付を受けている人で、障がいの程度が3級であり、
かつ知的障がい者で知能指数36以上50以下の人
・「精神障がい者保健福祉手帳」の交付を受けている人で、障がいの程度が1級の人

※子ども医療費支給制度と重度障がい者医療費は、いずれか一方の適用となります。
※65歳以上の人は、後期高齢者(長寿)医療被保険者に限ります
※所得制限があります。

【一部負担金】
〈通院〉⑴3歳以上就学前及び中学生
<一般> 500円/日(月7日上限)
<低所得(市町村民税非課税世帯)> 300円/日(月7日上限

⑵高校生以上
<一般> 500円/日(月20日上限)
<低所得(市町村民税非課税世帯)> 300円/日(月20日上限)

〈入院〉⑴3歳以上就学前及び中学生 500円/月
⑵高校生以上 500円/月

※定率1割負担(負担限度額月額2,400円(低所得者は1,600円)までの負担)
※3か月を超える入院の場合、それに続く4か月目以降の一部負担金は求めない。
※所得制限があります。

【生活福祉資金の貸付】
低所得者世帯、障がい者世帯又は高齢者世帯に対し、日常生活を送る上で一時的に必要であると見込まれる費用を貸し付ける。

【医療費の助成】
重度の障がい者に対して、必要とする医療が容易に受けられるよう医療費の自己負担額の一部が助成される。
※本人の所得額による制限あり
※市町村により異なる場合あり

【NHK受信料の減免】
障がい者手帳を持つ人のいる世帯は、NHK受信料を全額または半額に減免される。
※住民税の非課税世帯や障害等級などにより免除額が異なります。

【郵便料金の減免】
主に以下の郵便料金が減免される。
減免対象:点字郵便物(無料)、特定録音物等郵便物(無料)、点字ゆうパック、定期刊行物(第3郵便物)、聴覚障がい者用ゆうパック、心身障がい者用ゆうパック等

【自動車税の減免】
一定の要件に該当する身体・知的・精神障がい者に対して1人1台まで自動車税が減免される。

【住宅改修費給付】
在宅の重度身体・知的障がい者を対象に、日常生活上の障害に対して改修工事費用の一部が給付される。
※所得額による制限あり

【日常生活用具の給付】
在宅の重度障がい者を対象に、点字タイプライターや移動用リフト、イヤーマフ、火災報知器など、障害に合わせた様々な生活用具が給付される。
※世帯の所得に応じ一部自己負担が必要

【福岡市点字図書給付事業】
福岡市では、視覚障がい者が点字図書や点字新聞を購入する際に購入費の一部が給付される。

障がい者手帳の提示などで割引される福岡県の「交通・運賃」続いて公共交通機関も含めて、交通費や運賃の割引制度をご紹介します。障害等級による割引額や支給額などの違いも記載しますが、詳しくは各事業者にお問い合わせください。

【交通運賃の割引】
福岡県では、鉄道やバス等の交通運賃が割引される。

【鉄道】

交通機関 対象者 割引 その他
JR九州(鉄道) 第1種第2種身体・知的障がい者 5割 ・単独乗車は片道101km以上が対象
・定期券:12歳以上の第1種障がい者は介護者同伴の場合のみ5割引
福岡市営地下鉄① 第1種身体・知的障がい者 5割(定期券:5割) 小児の第2種身体・知的障がい者も対象
福岡市営地下鉄② 第2種身体・知的障がい者 5割(定期券:5割) 大人は本人のみ
西鉄電車(大牟田線・貝塚線) 第1種第2種身体・知的障がい者、1~3級の精神障がい者(※要問い合わせ) 5割(※定期券:5割) ・第2種は単独乗車のみ対象
・※定期券:要問い合わせ
北九州モノレール 第1種第2種身体・知的障がい者、1~3級の精神障がい者(※介護者の割引は要問い合わせ) 5割(※定期券:5割) ※小児定期乗車券の割引なし

【バス】

交通機関 対象者 割引 その他
福岡市営バス① 第1種身体・知的障がい者 5割(定期券:5割) 小児の第2種身体・知的障がい者も対象(市バス普通区以外の路線では、大人料金の30%割引)
福岡市営バス② 第2種身体・知的障がい者 5割(定期券:5割) 大人は本人のみ(市バス普通区以外の路線では、大人料金の30%割引)
JR九州バス 第1種第2種身体・知的障がい者、1~3級の精神障がい者 5割(定期券:3割) 対象が小児の第1種第2種介護者は割引対象外
西鉄バス 第1種第2種身体・知的障がい者、1~3級の精神障がい者 5割 第2種は単独乗車のみ対象、定期券:要問い合わせ
昭和バス 障害者手帳保持者(身体・知的・精神) 5割(定期券:3割) 定期券:対象者が小児(12歳未満)の場合は介護者のみ割引
堀川バス ①第1種身体・知的障がい者、精神障がい者1級
②第2種身体・知的障がい者、精神障がい者2級・3級
5割(定期券:3割) ①は本人と介護者が対象。②本人のみ対象
小児定期乗車券の割引なし。

【タクシー】
身体・知的・精神障がい者は、乗車時に手帳を提示することで運賃が1割引される。
※精神障がい者の割引については事業者によって異なるため、各社にお問い合わせください。

【船舶】
身体・知的・精神障がい者は、鉄道と同様の割引が適用される場合がある。
※詳細は各社にお問い合わせください。

【航空】
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳保持者は、割引が適用される場合がある。
※割引率は航空会社によって異なるため、詳細は各社にお問い合わせください。

【交通用福祉ICカード】
下記対象者に発行されるICカード。鉄道と同様の割引が適用される場合がある。

「福岡市に住民登録をしている、前年の合計所得金額が200万円未満で下記の手帳をお持ちの方。」
※給与所得または雑所得を有する場合は所得の合計額から10万円を控除した額が200万円未満
※対象者が18歳未満の場合は,世帯の合計所得金額が200万円未満で下記の手帳をお持ちの方。
(1)身体障がい者手帳1級~3級
(2)療育手帳A
(3)精神障がい者保健福祉手帳1級
(4)被爆者健康手帳 すべて
(5)戦傷病者手帳 すべて
【参考】福岡市ホームページ

【タクシー料金の給付】
福岡市では、身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方を対象に1枚500円のタクシー利用券が給付される。タクシー料金の割引を受けることができ、1回の乗車につき1枚まで使用できる。
※詳細は各社にお問い合わせください。

障がい者手帳があれば割引が利く福岡県の「施設」

福岡県内で障がい者手帳の提示等で割引が受けられる施設には、公共施設の他にも商業施設や娯楽、レジャー、アミューズメント施設など数多くあります。その中から一部をピックアップしてご紹介します。

【施設の利用料の免除】(福岡市内)
障がい者手帳を提示することで、福岡市内では以下の施設の利用料が無料になる。
対象施設:福岡市動物園、福岡市博物館、福岡おもちゃ美術館(本人のみ)、福岡県立美術館、花畑園芸公園など

【施設の利用料の減免】(福岡市内)
障がい者手帳を提示することで、福岡市内では以下の施設の利用料が半額となる。
対象施設:福岡アンパンマンこどもミュージアムinモール、マリンワールド海の中道など

【だざいふ遊園地】
障がい者手帳を提示することで、入場料が半額となる。
【参考】営業日時・料金|だざいふ遊園地

【福岡タワー】
障がい者手帳の提示で、手帳保持者およびその介護者1名は、チケット料金が割引となる。(下記参考)
【大人】通常800円→500円
【小・中学生】通常500円→250円
【幼児(4歳以上)】通常200円→100円
【参考】料金・営業時間|福岡タワー FUKUOKA TOWER

【九州国立博物館】
障がい者手帳の提示で、手帳保持者およびその介護者1名は、特別展および文化交流展を無料で観覧できる。
【参考】九州国立博物館 – バリアフリー情報 (kyuhaku.jp)

【海の中道海浜公園】
障がい者手帳を提示することで、身体障害者手帳、療育手帳または精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方とその介護者1名の入園料が無料となる。
【参考】バリアフリー | 総合案内 | 海の中道海浜公園 | 福岡市東区にある自然豊かな国営公園 (uminaka-park.jp)

【休暇村:志賀島】
障がい者手帳の提示で、手帳保持者およびその介護者1名は、施設料金が割引となる。(下記参考)
・本館(客室):割引対象者1名1泊あたり1,650円割引(大人・小学生・幼児(4~6歳)共通)
・コテージ(棟貸し):コテージ室料を25%引き
・キャンプ場(サイト貸し):サイト使用料を25%引き
※上記コテージ・キャンプ場については、等級・人数に関わらず、1棟または1サイトあたりの割引上限が25%となります。
【参考】障がい者・バリアフリー | 休暇村公式ホームページ《ベストレート保証》 (qkamura.or.jp)

【門司港レトロ展望室】
北九州市発行の「療育手帳」、「身体障害者手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」保持者および、付添人の方1名(障害の程度が1級から4級までの方に付き添う場合に限る。)は料金が無料になる。
【参考】門司港レトロ展望室-観光スポット/門司港レトロインフォメーション

【北九州鉄道記念館】
北九州市在住で「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」、「戦傷病者手帳」保持者は入館料が無料になる。
【参考】ご利用案内 | 九州鉄道記念館 -門司港レトロ地区観光-

【北九州市漫画ミュージアム】
「療育手帳」、「身体障害者手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」保持者および、付添人の方1名(身体障害者の付添い人は1~4級の者の付添い人に限る。)は入館料が無料となる。
【参考】利用案内 | 北九州市漫画ミュージアム

福岡県が行う障がい者手帳所持者への「支援制度」

福岡県の障がい者福祉は、手当の支給や各種割引などだけでなく支援制度も整っています。主な支援制度は以下の通りです。

【自立支援医療制度】
心身の障害を無くす、または軽減するための医療費について自己負担額を軽減する制度。

【精神障がい者社会生活適応訓練事業】
精神障がい者が支援機関のサポートを受けながら、福岡県が認めた企業など(協力事業所)での就労訓練や社会経験を通じて自立を図ることを目的とした事業。

【障がい者就業・生活支援センター】
各市に設置されており、就業や日常生活の支援が必要な障がい者に対し相談の受付や職場訪問による相談を行っている。

【福岡障がい者職業センター】
障がい者職業カウンセラーなどを配置し、就職相談、職業能力評価、就職前の支援、職場適応の援助など、個別の障害に合わせて支援を行っている。

【要約筆記者等派遣】
中途失聴や難聴の人のコミュニケーションのため、要約筆記者等の派遣を行っている。

【グループホーム】
知的障がい者、精神障がい者、身体障がい者が「世話人」等の支援を受けながら、
地域のアパート、マンション、一戸建て等で、複数で共同生活する居住の場のこと。(1住居あたり定員2~10人で、事業所の定員は4人からとなる。)

【身体障がい者向け改善住宅】
既存の一般住宅を車いす常用者向けに標準設計で増築又は改築されている。車いす用出入り口(主にベランダ側)及びスロープ等の設置や浴室・トイレなどの改善を行う。申込みには同居する介護者が必要。入居者に合わせた設備の改善・調整は行われない。(福岡市など)

【ふくおか・まごころ駐車場】
「ふくおか・まごころ駐車場制度」は,「ふくおか・まごころ駐車場」として登録された駐車場を利用するための利用証を発行し,障がい者や高齢者など,車の乗り降りや移動に配慮の必要な方が,商業施設や公共施設等を安心して利用できるように支援する制度。

【番外編】こんなものも障がい者手帳があれば割引になる!

最後に番外編として、福岡県に限定したものではありませんが、「こんなものが!?」と思える、障がい者割引の受けられるサービスをご紹介します。

【ナイキ】
大手スポーツメーカー。Nikeの会員でミライロIDを持っていれば、アプリ内や店頭にて10%割引が受けられる。
【参考】Nike「障がいをお持ちの方向けの割引はありますか?」

【コープ・生協の宅配】
障がい者手帳を持つ人やその同居家族への配送料が割引になる。
また、調理が困難な人のための調理済み商品の配達や、目の不自由な人のための注文サポートも行っている。
※店舗によります
【参考】コープ・生協の宅配 障がいをお持ちの方

【らでぃっしゅぼーや】
有機野菜や無添加食品の宅配サービス。障がい者手帳の所持者は送料が優遇になる(らでぃっしゅぼーや専用車にて宅配されるもののみ)。
【参考】らでぃっしゅぼーや「えがおサポート」

まとめ

福岡県が行う障がい者への支援や福祉には、障がい者手帳の提示が必要かどうか記載のないものもありますので、各サービスや優遇制度に障がい者手帳が必要かどうかは、福岡県の各窓口にてご確認ください。

障がい者手帳は経済的支援から移動手段となるバスや電車、仕事探しからネットショップまで様々な場所で活躍します。福岡県内のサービスに限らず、日々の生活で障がい者手帳が有効活用できる場面はまだまだありますので、ご自身でもぜひ調べてみてください。

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