2025年の生活保護申請件数は256,432件となり、前年を上回って過去最多水準となりました。物価の上昇や生活コストの増加を背景に、生活に不安を抱える人が制度の利用を検討するケースが広がっています。
厚生労働省の統計によると、同年の被保護世帯数は1,646,424世帯、被保護実人員は1,982,345人となっています。申請件数が増えている一方で、受給世帯数は大きくは増えておらず、全体としては横ばいに近い状況が続いています。
世帯の内訳
世帯の内訳を見ると、最も多いのは高齢者世帯で、902,118世帯にのぼります。単身高齢者を中心に、年金だけでは生活を維持するのが難しいケースが増えており、生活保護が老後の生活を支える役割を担っています。
次に多いのが障害者世帯で、284,765世帯となっています。障害年金だけでは生活費を補いきれない場合や、就労が難しい状況にある人も多く、制度の支えが欠かせない状況が続いています。また、傷病者世帯も240,112世帯あり、病気やけがで働けなくなった人の生活を支えています。
母子世帯を含む「母子・父子世帯」は68,943世帯となっています。ひとり親世帯の多くは働いていますが、収入が不安定になりやすく、子育てとの両立による負担も大きいのが現状です。そうした中で、生活保護が生活を下支えする役割を果たしています。
申請件数が増加した背景
申請件数が増加した背景には、食料品や光熱費の値上げなど、日々の暮らしに直結する負担の増加があります。加えて、単身世帯の増加や雇用の不安定さも影響し、これまで制度を利用せずに生活していた人が、やむを得ず申請に至るケースも見られます。
一方で、申請が増えているにもかかわらず受給世帯が大きく増えていない点については、制度利用に至るまでのハードルも指摘されています。申請に対する心理的な抵抗や制度への理解不足などが影響し、必要な人に支援が十分に届いていない可能性もあります。
こうした状況を見ると、生活保護は失業時の支援にとどまらず、高齢や障害、子育て、健康といったさまざまな課題を抱える人の生活を支える重要な制度となっていることが分かります。
今後は、制度を必要とする人が無理なく利用できる環境を整えるとともに、生活保護に至る前の段階での支援をどう充実させていくかが、より重要になっていくと考えられます。
参考:
厚生労働省
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