障害者支援施設の見学時に確認すべきチェックポイント7つ

障害者支援施設の見学時に確認すべきチェックポイント7つ

障害者関連施設の数は全国で見ると何万という規模で、就労移行支援、就労継続支援A型・B型だけでも実に15,000近くもの事業所があります。

そんな数多くの障害者支援施設から自分に合った事業所を見つけるためには、実際に見学に行けなければなりません。

いざ見学に行くとなっても「何を重視して選べばいいか分からない」判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は障害者支援施設選びにおいて見学の際に確認すべき項目を、障害者目線で特に気になる点も併せてご紹介します。

【Point1】通いやすさ

障害者支援施設の見学で最初にチェックすべきは「通いやすさ」です。障害者支援施設の通所は1回だけでなく、長く通う可能性がありますので、以下のポイントは最低限チェックしましょう。

  • 障害者支援施設の雰囲気
  • 案内してくれた職員さんの印象
  • 事業所の広さやバリアフリーの状況
  • 施設の場所や行き方が分かりやすいか
  • 障害者施設を見学しての感想

学校や会社同様「行きたくないな」と最初から思わせる施設はNG。見学時に「ここなら通えそう!」と思えるかが大切です。

【Point2】障害者支援プログラムやトレーニング内容

実際に施設内を見学しながら、「障害者支援プログラムやトレーニング内容」を確認しましょう。前章の「通いたくなるか」にも繋がってくる部分です。自分の症状に合っているかはもちろん、具体的に以下のような点を聞いてみましょう。

  • 支援サービスやプログラムの概要
  • 食事の内容はどのようなものか
  • その他社会参加やスポーツなどのレクレーションはあるか
  • etc…

支援プログラムやトレーニング内容は施設により様々です。マイナスポイントを探すのではなく、「やってみたい!」「面白そう!」と思えるプラスポイントがないか聞いてみましょう。

【Point3】自立支援の流れや期間

見学した障害者支援施設では、「どういった流れと期間で自立支援が行われているのか」を聞いてみましょう。一般的に各障害者支援施設では以下のように一般就労に向けた支援が行われています。

就労継続支援B型 施設内作業や施設外就業などを通じて、就労継続支援A型や就労移行支援、一般就労に移行する
就労継続支援A型 就労継続支援B型と同じく、自立支援を受けつつ就労移行支援や一般就労を目指していく
就労移行支援 より具体的な職業訓練や体験就労、就職活動などを行いながら一般就労を目指していく

施設や個々の症状により作業内容や就労環境、支援期間は異なりますが、障害者支援施設は自立支援を目的として施設内作業や施設外就業などを行います。障害者支援施設に見学へ行けば実際に何らかの作業をしている現場を目にするでしょう。

見学の時点では自分の先行きも見えず不安が多いものですが、大まかにでも支援の流れや期間をイメージできれば不安の解消に繋がります。

【Point4】就労実績と定着率

一般就労までの流れや期間も大事ですが、「一般雇用の実績や定着率」も重要です。質問攻めにならないよう、一般就労までの流れと一緒に聞いてしまったほうが良いでしょう。「何を聞いたらいいか分からない…」という方のために、一例をご紹介します。

  • 一般就労した人の数や定着率はどのくらいなのか
  • ハローワークや紹介派遣、独自ルートなど、どういった方法で就労している人が多いのか
  • それぞれの障害者がどんな企業で就労しているのか

就労実績や定着率は障害者施設のパンフレットやホームページで案内されていますが、記載がないケースや情報が古い場合もありますので、こちらから尋ねて直近の情報を聞いてみましょう。

【Point5】プライバシー保護

障害者は知られたくないセンシティブな部分が少なからずあります。そこで、施設自体が「プライバシー保護」についての配慮や相談窓口があるかも確認しておきたいところです。特に以下の2点は障害のある人にとって特に気になる部分でしょう。

  • 体調が優れないときなどに使用できる個室などはあるか
  • 知られたくないことを第三者に分からないようにしてもらえる配慮はあるか
  • 他の利用者との人間関係に関して配慮はあるか

基本的に障害者支援施設はプライバシー保護に十分配慮することが求められており、第三者機関による評価でもチェックされる項目ですので多くの施設で適切な対応をしているでしょう。ただ、他人に絶対に知られたくないことがあるなら、予めプライバシー保護についてどう対応されているのか確認しておいた方が安心です。

【Point6】緊急時の対応

同じく、障害者支援施設が第三者機関にチェックされる項目に「緊急時の対応」があります。自分の体調変化に不安がある方は、特に確認しておいた方が良いポイントです。

  • 施設利用者の体調が優れないときはどう対応しているか
  • 急な体調変化にはどう対応しているか
  • 医療機関との連携などはあるのか

障害者支援施設のプログラムには、障害者の健康維持を図る取り組みが盛り込まれています。ただいざという時の対応を事前に知ることができれば、利用者としても安心材料の一つになるでしょう。

【Point7】その他アピールポイントや施設独自の取り組み

上記までを確認して問題なければ、最後に「施設のアピールポイントや独自サービス」について尋ねてみましょう。施設入所後の生活に色どりを持たせる大事なポイントです。

  • 他の施設より作業スペースを広めにとってゆとりを持たせている
  • 定期的にレクレーションや旅行などのイベントを行っている
  • 音楽や絵画、創作活動などによる特別な作業療法を取り入れている
  • etc…

障害者支援施設で独自の取り組みがあるかどうかは、利用を検討する障害者にとって意外な決定打になるかもしれません。自分の興味があるイベントや特別な取り組みが行われているか、施設見学の際は職員の方にぜひ聞いてみましょう。

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