福祉の仕事とは?職種・職場・資格をわかりやすく解説

福祉の仕事とは?職種・職場・資格をわかりやすく解説

「福祉の仕事に興味があるけど、具体的にどんな仕事があるの?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。

福祉の仕事とは、高齢者・障がい者・子ども・生活困窮者など、さまざまな事情でサポートを必要としている人たちの生活を支える仕事の総称です。「人の役に立ちたい」「誰かの支えになりたい」という思いを持つ人にとって、やりがいを感じやすい分野でもあります。

一口に「福祉の仕事」といっても、その種類は多岐にわたります。現場で直接利用者を支援する仕事から、相談・計画立案、就労支援、地域や行政との連携まで、それぞれに異なる役割があるのが魅力です。この記事では、福祉の仕事の全体像を職種・職場・資格の観点からわかりやすく解説します。

福祉の仕事の種類

福祉の仕事は「誰を支援するか」だけでなく「どのような形で関わるか」によっても大きく異なります。現場で利用者と直接向き合う仕事もあれば、相談や計画立案を通じて支援をコーディネートする仕事、就労を専門に支える仕事、地域や行政の立場から福祉の仕組みを動かす仕事もあり、多種多様です。

ここでは、福祉の仕事を大きく4つの分野に分けて、それぞれの職種と役割をご紹介します。

直接支援の仕事

利用者と日常的に関わり、生活のサポートをする「現場の仕事」です。福祉の仕事の中でも最も人数が多く、入職のきっかけになりやすい分野です。

介護職員

高齢者や障がい者の食事・入浴・排泄・移動などの日常生活を介助します。施設勤務と在宅訪問の2つの働き方があります。

生活支援員

障がい者支援施設などで、利用者の日常生活全般(食事・排泄・余暇活動など)をサポートします。利用者の「その人らしい生活」を一緒につくっていく仕事です。

保育士

乳幼児の保育・遊び・生活習慣の形成をサポートします。保護者への子育て支援も重要な役割のひとつです。

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児童指導員

児童養護施設や放課後等デイサービスなどで、子どもたちの生活指導や学習支援、情緒的なケアを行います。

ホームヘルパー(訪問介護員)

利用者の自宅を訪問し、身体介護や家事援助(調理・掃除・買い物など)を行います。一人ひとりの生活スタイルに寄り添うことが求められます。

ガイドヘルパー(移動介護従事者)

移動介護従事者と呼ばれ、障害のある方が安全に外出できるよう支援する専門職です。視覚障害、知的障害、精神障害、全身性障害など、さまざまな障害のある方が利用対象です。

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相談・支援計画の仕事

利用者やその家族の相談に応じ、適切な支援につなぐ「橋渡し役」です。福祉の専門知識はもちろん、傾聴力やコーディネート力が重要になります。

社会福祉士

生活上のさまざまな困りごとを抱えた方の相談を受け、必要なサービスや制度につなぐ専門職です。病院・行政・施設など幅広い場所で活躍します。

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相談支援専門員

障がいのある方が地域で自立した生活を送るための「サービス等利用計画」を作成し、支援全体をコーディネートします。

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ケアマネジャー(介護支援専門員)

高齢者や要介護者の「ケアプラン」を作成し、介護保険サービスを適切に活用できるよう調整する専門職です。

精神保健福祉士(PSW)

精神疾患や精神障がいのある方の生活・就労・社会復帰を支援します。医療機関や福祉施設、行政機関などで活動します。

就労支援の仕事

障がいのある方や生活困窮者が「働く」ことを支援する仕事です。福祉と労働の両方の知識が必要な、専門性の高い分野です。

就労支援員

就労継続支援事業所などで、利用者が仕事に就けるよう職業訓練・履歴書作成・面接練習などをサポートします。

職業指導員

就労継続支援A型・B型事業所などで、利用者が作業をとおして働くスキルを身につけられるよう指導・助言を行います。

ジョブコーチ(職場適応援助者)

障がいのある方が就職した後も職場に定着できるよう、実際の職場に出向いて本人と事業主の双方をサポートします。

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地域福祉・行政の仕事

地域全体の福祉を推進したり、行政として福祉サービスを届けたりする仕事です。個人支援にとどまらず、社会の仕組みづくりに関わる点が特徴です。

社会福祉協議会職員

地域福祉の推進を目的とした団体で、ボランティア活動の支援・生活困窮者への貸付・地域の見守り活動などを担います。

市区町村の福祉職

行政機関において、生活保護・障がい福祉・高齢福祉などの窓口業務や、福祉サービスの認定・給付業務を行います。

地域包括支援センター職員

高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、相談対応・介護予防・権利擁護・ケアマネジャー支援などを行う相談窓口の職員です。

福祉の仕事の主な職場

福祉の仕事ができる職場は多種多様です。自分が関わりたい対象や働き方に合わせて選ぶことができます。

職場 主な対象・内容
高齢者施設(特養・老健など) 高齢者の介護・生活支援
障害者施設・グループホーム 障害者の生活支援・就労支援
就労支援施設(A型・B型・移行支援) 障害者の就労訓練・定着支援
デイサービス・デイケア 通所による介護・リハビリ
保育所・学童・児童養護施設 子どもの保育・養育支援
病院・クリニック 医療連携・退院支援・精神科支援
行政機関・福祉事務所 制度運用・相談窓口
福祉NPO・支援団体 地域に密着した課題解決型の支援

福祉の仕事に役立つ資格

福祉の仕事には、無資格・未経験からスタートできるものもありますが、資格があると仕事の幅が広がり、キャリアアップにもつながります。

【国家資格】社会福祉士

福祉系の国家資格の中でも「福祉の総合資格」と呼ばれます。相談援助業務に携わる際に特に重視される資格で、養成校の卒業または実務経験が受験要件です。試験は年1回実施され、第37回(2025年度)の合格率は56.3%と、福祉系国家資格の中でも難易度が高い部類に入ります。

取得後は病院・行政・学校・司法など、福祉にとどまらない幅広いフィールドでキャリアを築くことができます。

【国家資格】介護福祉士

介護職の唯一の国家資格です。実務経験3年以上+研修修了、または養成校卒業で受験可能で、キャリアアップや給与面でも有利になります。取得すると、食事・入浴・排泄などの身体介護に加え、介護計画の立案やチームのリーダーシップを担うことが可能です。

超高齢化社会が進む日本において、最も需要が高い国家資格のひとつとして注目されています。

【国家資格】精神保健福祉士(PSW)

精神保健福祉分野の国家資格です。精神科病院や地域の支援機関で活躍でき、社会福祉士と合わせて取得する人も多いです。精神疾患を抱える方の生活相談や社会復帰支援を行うほか、近年では企業のメンタルヘルス対策の担い手として一般企業に採用される機会も増えています。

公益財団法人 社会福祉振興・試験センターによると、2025年2月末時点で108,760人が登録しており、今後もメンタルヘルスへの社会的関心の高まりとともに需要増加が見込まれます。

【国家資格】保育士

保育所・児童福祉施設などで働くための国家資格です。養成校卒業か試験合格で取得でき、子どもの保育に加え、保護者への子育て支援も重要な業務のひとつです。試験は筆記と実技の2段階で構成され、大学・短期大学・専門学校への進学ルートのほか、働きながら独学で取得することも可能です。

近年は認定こども園の普及や保育の多様化が進んでおり、保育士の活躍の場はさらに広がっています。

サービス管理責任者(サビ管)

障害者支援事業所の個別支援計画を作成・管理するリーダー的な役職です。実務経験と研修の修了が要件で、事業所運営に欠かせない存在です。相談支援業務3年以上または直接支援業務8年以上(国家資格保有者はそれぞれ短縮あり)の実務経験を経て、基礎研修・実践研修を受講することで取得できます。

全国の障がい福祉サービス事業所数は増加傾向にあり、各事業所に1名以上の配置が義務づけられているため、求人ニーズも安定しています。

ケアマネジャー(介護支援専門員)

介護保険サービスを利用する方のケアプランを立てる専門職です。保健・医療・福祉の実務経験5年以上(かつ900日以上)が受験要件で、各都道府県が試験を実施します。合格後は実務研修を修了することで資格が付与され、居宅介護支援事業所や介護保険施設などを主な職場として活躍します。

介護職のキャリアアップの目標として広く認知されており、現場経験を積みながらステップアップを目指す方に人気の資格です。

まとめ

福祉の仕事は「現場で直接支援する」「相談に乗って計画を立てる」「就労をサポートする」「地域・行政から支える」と、大きく4つの方向性があります。

どの職種も、目の前の人の生活や人生に真剣に向き合うことが求められる、責任ある仕事です。一方で、利用者の「できた」「変わった」という瞬間に立ち会えるやりがいは、他の仕事ではなかなか味わえないものでもあります。

まずは「どんな人を支えたいか」「どんな形で関わりたいか」を考えることが、自分に合った福祉の仕事を見つける第一歩になります。ぜひこの記事を参考に、福祉の世界への一歩を踏み出してみてください。

参考:厚生労働省|障害福祉分野の相談支援員を知っていますか厚生労働省|職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について厚生労働省|地域包括支援センター業務マニュアル厚生労働省|社会福祉施設等調査の概況厚生労働省|社会福祉士国家試験の施行について厚生労働省|障害福祉サービスにおける サービス管理責任者について 政府広報オンライン|働きたい障害のあるかたも、障害者を雇用したい事業主のかたも、ご利用ください。障害者雇用の支援メニュー公益財団法人 社会福祉振興・試験センター福祉のお仕事|職種についてjob tag|施設介護員日本福祉教育専門学校|介護福祉士とはどんな資格?仕事内容や給料、国家試験など介護の資格最短net|ケアマネージャーの受験資格ジョブメドレー|職業指導員とは? 仕事内容、働く場所、必要な資格、給料などについて解説ジョブメドレー|地域包括支援センターとは? 役割、相談事例、職員の業務内容・勤務状況・給料をまとめました介護ワーカー|社会福祉協議会とは?仕事内容から働くにはどうすればよいかまで詳しく解説レバウェル介護|精神保険福祉士になるには?一般社団法人全国保育士養成協議会|社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士 資格所有者の免除について

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