
結論:自治体の支給決定を受け、事業所と契約して利用する。費用は原則1割負担で月額上限がある
放課後等デイサービスは、学校等に就学している障害のある子どもが、放課後や学校の休業日に利用できる福祉サービスです。対象は原則として18歳未満で、継続して支援を受けなければ福祉を損なうおそれがあると認められる場合は、満20歳に達するまで利用できます。
利用には、市区町村による支給決定と「障害児通所受給者証」の交付を受け、事業所と契約する必要があります。給付対象となるサービス費の自己負担は原則1割で、世帯の課税状況などに応じた月額上限額があります。おやつ代や食費などの実費は、この上限とは別にかかります。
「うちの子は対象になるの?」「どこに相談すればいい?」という方は、お住まいの市区町村の障害児通所支援の担当窓口に相談してください。担当部署は、障害福祉課やこども家庭支援課など、自治体によって異なります。診断書や障害者手帳がなくても、相談はできます。
この記事では、受給者証の申請から事業所選び・契約までの流れ、費用、継続利用のための更新手続きを紹介します。
この記事は誰のための記事か
子どもに発達障害や身体障害、知的障害などがあり、放課後の支援を探している保護者
医師や学校から放課後等デイサービスを勧められたが、何から始めればいいか分からない方
すでに利用中で、事業所の変更や追加利用を検討している方
1. 放課後等デイサービスとは?
放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づく「障害児通所支援」のひとつです。学校等に就学している障害のある子どもに対し、放課後や学校の休業日に、生活能力の向上に必要な支援や社会との交流を促す活動などを提供します。
対象は原則として18歳未満です。学校教育法に規定する学校のうち、幼稚園と大学は対象に含まれません。専修学校・各種学校に就学している子どもについては、市町村長が放課後や休業日の支援を必要と認める場合に対象となります。
18歳以上でも、継続して放課後等デイサービスを受けなければ福祉を損なうおそれがあると認められる場合は、満20歳に達するまで利用できます。継続利用の条件や手続きは自治体に確認してください。
どのような支援を受けられる?
日常生活に必要な動作の練習、コミュニケーションや社会性を育む活動、創作活動、運動、地域との交流などを、子どもの状態や希望に応じて行います。保護者への相談対応など、家族への支援も含まれます。
支援は、次の5領域を踏まえて総合的に行うことが基本です。
| 領域 | 支援の例 |
|---|---|
| 健康・生活 | 生活習慣や日常生活に必要な動作を身につける支援 |
| 運動・感覚 | 体の動かし方や感覚の特性に応じた支援 |
| 認知・行動 | 物事の理解や行動の特性に応じた支援 |
| 言語・コミュニケーション | 言葉や本人に合った方法で意思を伝え、やり取りする支援 |
| 人間関係・社会性 | 人との関わりや集団活動、社会参加に向けた支援 |
事業所ごとに運動、音楽、美術などの特色があります。ただし、特定の活動だけを見るのではなく、5領域を踏まえて子どもに必要な支援が組み立てられているかを確認してください。
障害者手帳や診断名がなくても対象になる?
医学的な診断名や障害者手帳は、支給決定の必須要件ではありません。自治体が、障害者手帳、診断書・意見書、関係機関の意見などを踏まえて支援の必要性を確認し、面談や調査を経て支給の可否を決定します。
支援の必要性を確認する資料や手続きは自治体によって異なります。手帳や診断書がない場合も、まずは自治体の担当窓口に相談してください。
2. 利用開始までの手順(全4ステップ)
ステップ1:窓口に相談する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談先 | 市区町村の障害児通所支援の担当窓口、または障害児相談支援事業所 |
| 持ち物 | 初回相談に必要なものは窓口に確認してください。手元にあれば、障害者手帳、診断書・意見書、子どもの状況をまとめたメモなどが役立ちます。 |
| 相談・計画作成の費用 | 自治体窓口への相談や、障害児相談支援の利用者負担はありません。診断書の取得などには別途費用がかかる場合があります。 |
自治体の窓口に「放課後等デイサービスを利用したい」と伝えてください。子どもの状況や希望を説明し、対象要件、申請方法、必要書類、手続きにかかる期間を確認します。
障害児相談支援事業所では、相談支援専門員が障害児支援利用計画案を作成し、サービスの利用調整や利用開始後のモニタリングを行います。依頼先が分からない場合は、自治体に紹介を求めてください。
ステップ2:障害児通所受給者証を申請する
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請先 | 市区町村の障害児通所支援の担当窓口 |
| 主な必要書類 | 申請書 障害児支援利用計画案、または自治体が指定するセルフプラン 障害者手帳、診断書・意見書など、支援の必要性を確認できる資料 マイナンバーの確認書類・本人確認書類 課税状況を確認する書類など ※必要書類は自治体や申請内容によって異なります。自治体が課税情報を確認できる場合など、提出が不要となる書類もあります。障害者手帳や診断書がない場合の確認方法も、窓口に相談してください。 |
| 交付までの期間 | 自治体や申請内容によって異なります。利用希望日がある場合は、必要書類と手続きにかかる期間を事前に確認してください。 |
申請にあたっては、子どもの状態や生活状況、必要な支援、利用希望日数などについて面談や調査が行われます。
自治体が支給を決定すると、受給者証が交付されます。受給者証には、利用できるサービス、利用日数である「支給量」、負担上限月額、有効期間などが記載されます。
希望する日数と決定された日数が異なる場合は、担当窓口に決定理由を確認してください。必要な支援や生活状況に変化がある場合も、支給量の変更について相談できます。
「障害児支援利用計画案」とは?
障害児支援利用計画案は、子どもや家族の希望、生活状況、必要な支援、利用するサービスなどを整理した計画案です。
障害児相談支援事業所の相談支援専門員に作成を依頼する方法と、保護者などがセルフプランを作成する方法があります。セルフプランを希望する場合は、自治体に取扱いと書式を確認してください。
ステップ3:事業所を見学・選定する
相談や申請と並行して、事業所の情報を集めてください。自治体によっては申請前の見学を案内する場合もあるため、手続きの順序を窓口に確認してください。
① 事業所を探す
自治体の窓口やウェブサイト、WAM NET「障害福祉サービス等情報検索」で事業所を探します。希望する曜日の空き状況や、子どもの支援に対応できるかは、事業所に直接確認してください。
② 見学を予約する
事業所に連絡し、見学日を決めます。可能であれば複数の事業所を見学し、子ども本人の希望や反応も踏まえて比較してください。
③ 支援内容と利用条件を確認する
| チェック項目 | 確認すること |
|---|---|
| スタッフ体制 | 児童発達支援管理責任者の配置、職員の人数・資格・経験、子どもの特性や医療的ケアへの対応 |
| 支援内容 | 1日の流れ、5領域を踏まえた支援プログラム、子どもに必要な支援への対応 |
| 個別支援計画 | 子ども本人と保護者の希望をどう反映するか、説明・同意・見直しの進め方 |
| 子どもの様子 | 安心して過ごしているか、職員が子どもの意思や特性を尊重して関わっているか |
| 送迎 | 送迎の有無、学校・自宅への対応範囲、所要時間、車内の安全対策 |
| 曜日・時間・空き状況 | 利用できる曜日、支援時間、土曜・長期休暇への対応、希望日の受入れ状況 |
| 保護者との連携 | 日々の報告、面談、相談への対応、緊急時の連絡方法 |
| 費用 | サービス費の自己負担と、おやつ代・食費・活動費などの実費 |
| 公開情報 | 支援プログラム、事業所の自己評価、保護者評価と改善内容 |
見学には、子どもの特性、困りごと、得意なこと、希望する支援をまとめたメモを持参すると、具体的な相談がしやすくなります。
ステップ4:契約・利用開始
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約先 | 利用する放課後等デイサービス事業所 |
| 持ち物 | 障害児通所受給者証、事業所が指定する書類など。印鑑や健康保険の資格が分かる書類などの要否は、契約前に事業所に確認してください。 |
① 契約の日時と必要書類を確認する
受給者証が交付されたら、事業所に連絡し、契約手続きを進めます。
② 契約内容と重要事項の説明を受ける
利用日、利用時間、費用、キャンセル時の取扱い、送迎、事故・緊急時の対応などを確認してください。
③ 個別支援計画の説明を受ける
事業所は子どもの状態や本人・保護者の希望を踏まえて個別支援計画を作成します。内容の説明を受け、確認したうえで同意します。
④ 利用を開始する
支給決定された日数の範囲内で、事業所と調整した日程に利用します。
3. 費用:利用者負担の月額上限額

放課後等デイサービスの給付対象となるサービス費は、国が定める報酬などに基づいて計算され、自己負担は原則1割です。ただし、世帯の課税状況などに応じた負担上限月額があり、給付対象のサービス費については、その上限を超える自己負担は生じません。
| 世帯の所得区分 | 負担上限月額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 市町村民税課税世帯(所得割額の世帯合計が28万円未満) | 4,600円 |
| 上記以外 | 37,200円 |
上限額は、毎月必ず支払う定額料金ではありません。給付対象のサービス費の1割が上限額より少ない場合は、その1割の額を負担します。
障害児の所得区分を判断する際の世帯の範囲は、保護者が属する住民基本台帳上の世帯です。市町村民税所得割額の算定や適用する課税年度などは、自治体に確認してください。
こども家庭庁は、所得割28万円未満の区分について、収入がおおむね890万円以下の世帯を目安として示しています。ただし、家族構成や控除などによって変わるため、年収だけでは区分を判断できません。
自治体独自の助成により、自己負担が軽減される場合があります。助成の有無、対象条件、申請方法は、お住まいの自治体に確認してください。
月額上限とは別にかかる費用
おやつ代・食費
創作活動の材料費
外出活動の交通費・入場料など
これらの実費は負担上限月額に含まれません。費用の有無、金額、徴収方法は事業所ごとに異なるため、契約前に確認してください。
4. 事業所を選ぶときの5つの視点
視点1:子どもの希望と支援の必要性に合っているか
子どもが安心して通えるか、本人の希望や特性に合っているかを確認してください。運動や音楽などの特色に加えて、5領域を踏まえた総合的な支援が行われているか、個別支援計画に本人と保護者の希望が反映されるかも確認します。
視点2:通いやすさ・送迎の有無
学校や自宅からの距離、送迎の有無と範囲、利用時間を確認してください。送迎ルートによって所要時間が変わるため、子どもの疲れや生活リズムも踏まえて判断します。
視点3:スタッフの対応と安全管理
職員の声かけ、子どもの意思の受け止め方、トラブル時の対応を確認してください。医療的ケアやアレルギーなどへの対応、事故防止の取組、緊急時の連絡体制も大切な確認事項です。
視点4:利用人数と年齢構成
利用定員、実際の利用人数、子どもの年齢層を確認してください。年齢や発達段階が異なる子どもが一緒に過ごす場合に、活動内容や環境、職員の関わり方をどう調整しているかも尋ねてください。
視点5:保護者との情報共有と支援の見直し
連絡帳やアプリでの報告、面談、相談対応、個別支援計画の見直し方法を確認してください。公開されている事業所の自己評価や保護者評価と、評価を踏まえた改善内容も判断材料になります。
5. 継続利用には受給者証の更新が必要
受給者証には有効期間があります。継続して利用する場合は、有効期限までに更新手続きをしてください。申請時期と必要書類は自治体に確認します。
更新時には、子どもの状況や必要な支援、利用日数などを改めて確認します。支援の必要性や家庭の状況が変わった場合は、更新を待たずに自治体や障害児相談支援事業所へ相談してください。
児童発達支援から放課後等デイサービスへの切替え、転居、利用事業所の変更・追加などでも手続きが必要となる場合があります。変更前に自治体へ確認してください。
よくある質問
Q1. 障害者手帳や診断名がなくても利用できますか?
医学的な診断名や障害者手帳は、支給決定の必須要件ではありません。自治体が、診断書・意見書や関係機関の意見なども踏まえて支援の必要性を確認し、面談や調査を経て支給の可否を決定します。
必要な資料や確認方法は自治体によって異なります。手帳や診断書がない場合も、担当窓口に相談してください。
Q2. 複数の事業所を掛け持ちできますか?
支給決定された日数の範囲内で、曜日などを分けて複数の事業所を利用できます。それぞれの事業所との契約が必要です。ただし、同じ日に複数の放課後等デイサービス事業所を利用することはできません。
複数事業所を利用する場合は、利用日数の配分や利用者負担上限額の管理について、自治体や各事業所に確認してください。
Q3. 受給者証の「支給量」に納得できない場合はどうすればいいですか?
まずは自治体の担当窓口に、決定理由を確認してください。子どもの状態、必要な支援、家庭の状況、希望する日数の理由を具体的に伝え、支給量の変更について相談します。
市町村の障害児通所給付費などに係る処分に不服がある場合は、都道府県知事に対して審査請求を行う制度があります。申立先や期限は、支給決定通知書に記載された案内を確認してください。
Q4. 18歳になったら利用できなくなりますか?
対象は原則として18歳未満ですが、継続して支援を受けなければ福祉を損なうおそれがあると認められる場合は、満20歳に達するまで利用できます。18歳以降の継続利用については、事前に自治体へ条件と手続きを確認してください。
Q5. 受給者証があれば、希望する事業所に必ず通えますか?
受給者証の交付と、事業所の受入れは別に確認する必要があります。希望する曜日に空きがあるか、子どもに必要な支援へ対応できるかを事業所に確認し、契約してください。
確認先・問い合わせ先
| 相談したいこと | 問い合わせ先 |
|---|---|
| 対象要件、受給者証の申請・更新、利用日数、費用の区分、自治体独自の助成 | お住まいの市区町村の障害児通所支援の担当窓口 |
| 利用計画の作成、事業所探し、利用開始後の相談 | 障害児相談支援事業所。依頼先は自治体の窓口で確認してください。 |
| 事業所の検索 | WAM NET「障害福祉サービス等情報検索」 |
| 空き状況、支援内容、送迎、実費、契約書類 | 利用を検討している放課後等デイサービス事業所 |
利用できるか迷った場合は、まず自治体の担当窓口に相談してください。子ども本人の希望や生活状況を伝え、必要な支援と利用方法を一緒に確認していきましょう。
参考・出典
制度情報の確認日:2026年10月10日。必要書類、申請・更新の時期、事業所の受入れ状況などは、お住まいの自治体と利用する事業所に確認してください。
参考:こども家庭庁「利用者負担の仕組み」参考:こども家庭庁「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について」(令和8年3月版・利用者負担認定の手引き令和8年6月版)参考:こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」参考:こども家庭庁「各種ガイドライン・手引き等について」参考:横浜市「障害児通所支援事業について」参考:品川区「障害児通所支援」参考:鎌倉市「障害福祉サービス一覧及び利用者負担について」参考:府中市「障害児通所支援」参考:e-Gov法令検索「児童福祉法」
執筆者プロフィール

児童福祉、発達障害、自閉スペクトラム症(ASD)など、子どもを取り巻く社会課題について執筆を行う。保護者や教育関係者にも伝わりやすい表現を心掛け、一人ひとりの子どもの成長と権利を尊重する視点から情報発信を続けている。