特別障害者手当・障害児福祉手当とは?対象・金額・申請の流れ

特別障害者手当・障害児福祉手当とは?対象・金額・申請の流れ

在宅で重度の障害がある方に、要件に応じて月額16,560円または30,450円が支給される制度です

特別障害者手当(20歳以上対象・月額30,450円)と障害児福祉手当(20歳未満対象・月額16,560円)は、在宅で生活する重度障害のある方の経済的負担を軽くするための国の手当です。金額は2026年4月分からのものです。

いずれも障害者手帳の有無や等級だけで支給が決まる制度ではありません。原則として所定の診断書などに基づいて審査します。手帳や既存の認定内容によっては診断書を省略できる場合があるため、医師に作成を依頼する前に窓口で確認してください。

「自分や家族は対象になるのか」「何を持ってどこへ行けばいいのか」を、この記事で確認してください。

※制度情報の確認日:2026年9月30日。支給額は2026年4月分から、所得限度額は2026年8月以降の基準を掲載しています。

この記事は誰のための記事か
・在宅で暮らす重度障害のある方本人、またはそのご家族
・重度の障害がある子どもを育てている保護者
・支援にあたる福祉関係者やケアマネジャー

特別障害者手当とは?

特別障害者手当は、日常生活で常時特別の介護を必要とする、在宅の20歳以上の重度障害者に支給される手当です。

項目 内容
支給月額 30,450円(2026年4月分から)
支給月 原則として2月・5月・8月・11月(各月に前月分までをまとめて支給)
対象年齢 20歳以上

対象となる方の要件

以下の要件に加え、日本国内に住所があることが必要です。

1.障害の程度
精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別の介護を必要とする状態であること。重度の障害が重複している場合のほか、単独の障害や病状でも、認定基準を満たせば対象になる場合があります。

2.施設入所・入院の制限に該当しないこと
支給対象外となる障害者支援施設や特別養護老人ホーム等に入所しておらず、病院・診療所に継続して3か月を超えて入院していないこと。

この長期入院の扱いには、介護老人保健施設や介護医療院への入所も含まれます。入院・入所先や期間の数え方は、窓口で確認してください。

有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームは、入居していることだけを理由に対象外になる施設には含まれません。ただし、障害の程度や所得など、ほかの要件も満たす必要があります。

3.所得要件を満たすこと
本人の判定所得が所得限度額以下で、配偶者・本人の生計を維持する扶養義務者の判定所得が、それぞれの所得限度額未満であること。

ポイント:「手帳の等級=対象」ではありません。

障害者手帳を持っていなくても、認定基準を満たせば対象になる場合があります。逆に、手帳1級でも手当の認定基準を満たさない場合があります。原則として所定の診断書などに基づいて審査するため、まず窓口で相談してください。

参考:厚生労働省「特別障害者手当について」
参考:立川市「特別障害者手当(国制度)」
参考:札幌市「特別障害者手当、障害児福祉手当、(経過的)福祉手当」

所得制限の基準

所得限度額は、扶養親族等の人数によって変わります。以下は2026年8月以降に適用される基準で、特別障害者手当と障害児福祉手当に共通です。

扶養親族等の数 本人の所得限度額 配偶者・扶養義務者の所得限度額
0人 3,758,000円 6,287,000円
1人 4,138,000円 6,536,000円
2人 4,518,000円 6,749,000円

本人の判定所得が限度額を超える場合、または配偶者・扶養義務者の判定所得が限度額以上の場合は、手当が支給されません。

※ここでいう所得は給与の額面年収ではなく、制度上の控除を適用して算出する判定所得です。本人と配偶者・扶養義務者では控除の扱いが異なります。また、扶養親族等の年齢などによって限度額に加算がある場合があります。
※特別障害者手当では、本人が受給する障害年金・遺族年金など、税法上は非課税となる公的年金も判定所得に含まれます。税金の計算上の所得とは扱いが異なるため、年金の受給状況と金額を窓口に伝えて確認してください。
※原則として前年の所得で判定しますが、1月から6月までの申請では前々年の所得を用います。具体的な計算や対象となる所得の年は、窓口で確認してください。
参考:厚生労働省「特別障害者手当について」
参考:東京都心身障害者福祉センター「特別障害者手当(国制度)」
参考:豊島区「障害児福祉手当(国制度)」

障害児福祉手当とは?

障害児福祉手当は、日常生活で常時介護を必要とする、在宅の20歳未満の重度障害児に支給される手当です。

項目 内容
支給月額 16,560円(2026年4月分から)
支給月 原則として2月・5月・8月・11月(各月に前月分までをまとめて支給)
対象年齢 20歳未満

対象となる方の要件

以下の要件に加え、日本国内に住所があることが必要です。

1.障害の程度
身体障害・知的障害・精神障害などにより、日常生活で常時介護を必要とする重度の障害があり、所定の認定基準を満たしていること。手帳の等級や区分だけでは判断できないため、窓口で確認してください。

2.施設入所の制限に該当しないこと
支給対象外となる障害児入所施設等に入所していないこと。特別障害者手当と異なり、入院期間が3か月を超えたことだけを理由に受給資格を失う制度ではありません。ただし、法令に基づく命令等による入院・入所など、対象外となる扱いがあります。入院・入所先の扱いは窓口で確認してください。

3.障害を支給事由とする公的年金等の制限に該当しないこと
障害を支給事由とする公的年金等のうち、法令で定める給付を受けることができる場合は、原則として支給対象になりません。ただし、その給付の全額が支給停止となっている場合は例外です。年金等の種類と支給状況を、窓口で確認してください。

4.所得要件を満たすこと
受給者本人(児童)の判定所得が所得限度額以下で、配偶者・本人の生計を維持する扶養義務者の判定所得が、それぞれの所得限度額未満であること。基準額は前掲の所得制限の表を確認してください。

ポイント:障害児福祉手当の受給者は「児童本人」です。

保護者ではなく児童本人が受給者となります。保護者等が代理で申請する場合の必要書類は、窓口で確認してください。

参考:厚生労働省「障害児福祉手当について」
参考:広島市「障害児福祉手当」
参考:厚生労働省「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」
参考:厚生労働省「障害児福祉手当及び特別障害者手当の支給に関する省令」

特別児童扶養手当との違い

この3つの手当は名前が似ていますが、対象者や受給者、認定基準が異なります。月額は、いずれも2026年4月分からの金額です。

手当名 対象者 障害の程度 月額 受給者
特別障害者手当 20歳以上の在宅の重度障害者 常時特別の介護が必要な程度 30,450円 本人
障害児福祉手当 20歳未満の在宅の重度障害児 常時介護が必要な程度 16,560円 児童本人
特別児童扶養手当 20歳未満の障害児を家庭で監護・養育する父母等 手当独自の1級・2級の認定基準に該当する程度 1級:58,450円
2級:38,930円
父母等

※特別児童扶養手当の1級・2級は、障害者手帳の等級と同じではありません。各手当には所得制限や施設入所等による制限があり、それぞれの要件を満たす必要があります。

併給と20歳到達後の手続き
・障害児福祉手当と特別児童扶養手当は、両方の要件を満たしていれば併給できます。それぞれ申請が必要です。
・特別障害者手当と障害児福祉手当は、年齢で対象が分かれるため、同じ人が同時に受給することはありません。
・20歳になると障害児福祉手当の対象ではなくなります。特別障害者手当の要件を満たす場合は受給できますが、自動的には切り替わりません。改めて申請してください。

参考:厚生労働省「特別児童扶養手当について」
参考:広島市「障害児福祉手当」
参考:札幌市「特別障害者手当、障害児福祉手当、(経過的)福祉手当」

申請に必要な書類

以下は一般的に求められる書類です。自治体や申請内容によって、追加書類が必要になる場合や、書類を省略できる場合があります。診断書の作成を依頼する前に、必要書類を窓口で確認してください。

特別障害者手当の場合

1.認定請求書
窓口で入手するか、自治体ホームページからダウンロードしてください。

2.所定の診断書
障害の種類に応じた専用様式を入手し、医師に記載を依頼してください。手帳や既存の認定内容によっては、省略できる場合があります。

3.所得状況届・所得確認に必要な書類
課税証明書などを求められる場合があります。マイナンバーによる情報連携等で省略できる場合もあるため、窓口で確認してください。

4.振込先口座を確認できるもの
本人名義の通帳や、その写しなどを用意してください。

5.マイナンバーを確認できる書類・本人確認書類
本人・配偶者・扶養義務者のマイナンバーを確認できる書類など、自治体が指定するものを用意してください。本人以外が申請する場合は、代理人の身元確認書類や代理権を確認する書類が必要になる場合があります。

6.障害者手帳
交付を受けている場合は、手帳や写しなど、自治体が指定するものを用意してください。

7.年金の受給状況・金額を確認できるもの
公的年金を受給している場合は、年金振込通知書や年金が振り込まれる通帳の写しなど、自治体が指定するものを用意してください。障害年金・遺族年金など、非課税の年金も確認の対象になります。

障害児福祉手当の場合

1.認定請求書
窓口で入手するか、自治体ホームページからダウンロードしてください。

2.所定の診断書
専用様式を入手し、医師に記載を依頼してください。手帳や既存の認定内容によっては、省略できる場合があります。

3.所得状況届・所得確認に必要な書類
必要な書類や省略できる書類は、窓口で確認してください。

4.振込先口座を確認できるもの
児童本人名義の通帳や、その写しなどを用意してください。本人名義の口座がない場合は、窓口で相談してください。

5.マイナンバーを確認できる書類・本人確認書類
本人・配偶者・扶養義務者のマイナンバーを確認できる書類など、自治体が指定するものを用意してください。保護者等が代理申請する場合は、代理人の身元確認書類や代理権を確認する書類が必要になる場合があります。

6.障害者手帳・療育手帳
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている場合は、手帳や写しなど、自治体が指定するものを用意してください。

7.年金等に関する確認書類
児童本人が年金等を受給している場合や、受ける権利がある場合は、その種類と支給状況を窓口に伝え、必要な確認書類を用意してください。

診断書の作成費用について

診断書の作成費用と完成までの期間は、医療機関によって異なります。依頼前に確認してください。自治体によっては、所得などの条件を満たす方を対象とした診断書料の助成制度があります。助成の有無と申請方法も、窓口で確認してください。

参考:相模原市「特別障害者手当」
参考:豊島区「障害児福祉手当(国制度)」
参考:広島市「障害児福祉手当」
参考:吹田市「障がい児福祉手当」

申請手続きの流れ

1.窓口で相談する
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に連絡し、対象要件と申請先を確認してください。担当部署の名称は自治体によって異なります。

2.必要書類と診断書の様式を確認する
障害の種類に応じた診断書の様式を入手してください。この段階で、診断書を省略できるかどうかも確認してください。

3.医師に診断書を依頼する
診断書が必要な場合は、障害や病状を診療している医師に作成を依頼してください。作成する医師について自治体から案内がある場合は、その内容を確認してください。

4.必要書類をそろえて提出する
認定請求書、診断書などの必要書類を、案内された窓口に提出してください。郵送の可否など、受付方法は自治体によって異なります。

5.審査を受ける
お住まいの地域を担当する市区町村または都道府県が、診断書などに基づいて審査します。審査にかかる期間は自治体や申請内容によって異なるため、窓口で確認してください。

6.結果通知・支給開始
認定されると通知が届き、原則として申請月の翌月分から支給対象になります。実際の振込は、所定の支給月に行われます。

単に申請が遅れた場合は、申請前の期間まで遡って受給することはできません。ただし、災害その他やむを得ない理由で申請できず、その理由がなくなった後15日以内に申請した場合には、支給開始時期の特例があります。この場合は、申請できなくなった日の属する月の翌月分から支給対象となります。該当する事情がある場合は、速やかに窓口に相談してください。

参考:神奈川県「障害児福祉手当、特別障害者手当(国制度)」
参考:厚生労働省「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」

受給中に必要な届出

認定後も、所得や生活状況などに応じた届出が必要です。届出がない場合、支給が止まったり、資格喪失後に受け取った手当の返還を求められたりすることがあります。

1.所得状況届
原則として毎年8月頃に提出が必要です。自治体からの案内に従って、期限までに提出してください。所得状況届以外に、自治体が現況確認のための届出を求める場合もあります。

2.障害状態の変化
障害の程度が変わった場合は、窓口に連絡してください。期限付きの認定を受けている場合などは、再認定のための診断書等を求められることがあります。

3.施設入所・入院
支給対象外となる施設に入所した場合は、受給資格を失うため届出が必要です。特別障害者手当は、病院・診療所に継続して3か月を超えて入院した場合も資格を失います。この長期入院の扱いには、介護老人保健施設や介護医療院への入所も含まれます。

障害児福祉手当には、入院期間が3か月を超えたことだけを理由とする資格喪失はありません。ただし、入院・入所の種類によって対象外となる場合があるため、窓口に状況を伝えてください。

4.障害児福祉手当の受給者の年金等の受給資格・支給状況が変わった場合
障害を支給事由とする公的年金等を受けることができるようになった場合や、その支給状況が変わった場合は、窓口に連絡してください。給付の種類や全額支給停止の有無によって、手当の受給資格に関わります。

5.住所・氏名・振込先口座の変更など
変更の届出が必要です。自治体外へ転居する場合は、新住所地で手当を引き継ぐための手続きを確認してください。日本国内に住所がなくなる場合も、窓口に連絡してください。

6.障害児福祉手当の受給者が20歳になった場合
障害児福祉手当の受給資格を失うため、必要な手続きを窓口で確認してください。特別障害者手当への自動的な切り替えはありません。

参考:相模原市「障害児福祉手当」
参考:札幌市「特別障害者手当、障害児福祉手当、(経過的)福祉手当」

よくある質問

Q1. 障害者手帳を持っていないと申請できませんか?

手帳がなくても申請できます。特別障害者手当・障害児福祉手当は、それぞれの認定基準に基づいて支給を判断する制度です。原則として所定の診断書などに基づいて審査します。

手帳や既存の認定内容によっては診断書を省略できる場合もあります。手帳を持っている方も持っていない方も、まず窓口で確認してください。

Q2. 入院中でも受給できますか?

特別障害者手当は、病院・診療所に継続して3か月を超えて入院すると受給資格を失います。この長期入院の扱いには、介護老人保健施設や介護医療院への入所も含まれます。

資格を失った方が退院・退所後に再び受給するには、改めて申請が必要です。届出だけで自動的に支給が再開するわけではありません。

障害児福祉手当は、入院期間が3か月を超えたことだけを理由に受給資格を失う制度ではありません。ただし、支給対象外となる施設への入所や、法令に基づく命令等による入院・入所などには制限があります。入院・入所先の扱いは、窓口で確認してください。

参考:板橋区「特別障害者手当(国制度)」
参考:札幌市「特別障害者手当、障害児福祉手当、(経過的)福祉手当」
参考:厚生労働省「障害児福祉手当及び特別障害者手当の支給に関する省令」

Q3. 障害児福祉手当と特別児童扶養手当は両方もらえますか?

はい、両方の要件を満たしていれば併給できます。障害児福祉手当は児童本人に、特別児童扶養手当は児童を家庭で監護・養育する父母等に支給される別々の制度です。それぞれ申請してください。

Q4. 障害年金を受給していても、特別障害者手当を申請できますか?

障害年金を受給していることだけを理由に、特別障害者手当の対象外になるわけではありません。ただし、特別障害者手当では、本人の障害年金も判定所得に含まれます。障害の程度や所得など、手当の要件を満たしているか、窓口で確認してください。

障害児福祉手当には別の年金等による制限があるため、両制度の扱いを混同しないようにしてください。

参考:東京都心身障害者福祉センター「特別障害者手当(国制度)」

確認先・相談先

まずはお住まいの自治体へ
市区町村の障害福祉担当窓口に相談してください。担当部署の名称は「障害福祉課」「福祉課」「障がい者支援課」など、自治体によって異なります。地域によっては、都道府県の福祉事務所等が担当します。

電話で担当窓口を確認する場合
市区町村の代表電話に「特別障害者手当」または「障害児福祉手当」について相談したいと伝え、担当窓口と申請先を確認してください。

制度の概要を確認する場合
参考:厚生労働省「特別障害者手当について」
参考:厚生労働省「障害児福祉手当について」
参考:厚生労働省「特別児童扶養手当について」

まとめ:対象になるか迷ったら、早めに窓口で確認してください

特別障害者手当も障害児福祉手当も、原則として申請月の翌月分から支給対象になります。災害その他やむを得ない理由による特例を除き、申請前の期間まで遡って受給することはできません。「対象かどうか分からない」という段階でも、まず窓口で相談してください。

障害者手帳がなくても対象になる可能性があります。また、障害児福祉手当と特別児童扶養手当は、両方の要件を満たしていれば併給できます。

入院・施設入所や年金による制限は、手当ごとに異なります。現在の生活状況と年金等の受給状況を窓口に伝え、対象要件を確認してください。診断書を省略できる場合もあるため、医師に作成を依頼する前に、必要書類を確認してください。

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